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それから、僕はハーバードのスクールと、どうしても通わないと出来ない習い事を除いて、ネットを使った通信講座でも出来る事は家で、なまえとやる事にした。なまえは学ぶ事も好きみたいで、僕達は勉強も遊びも何でも一緒にやった。そうやって僕達は時を過ごした。 お母さんが死んでからは、九月の僕の誕生日も、クリスマスもお父さんは忙しいので僕、一人きりだった。ケーキやご馳走だけあっても、一人の誕生日やクリスマスなんて大嫌いだった。 でもなまえと出会ってからは、毎回なまえが一緒に祝ってくれるようになった。なまえはプレゼントが無いのを気にしたけど、一緒に笑顔で祝ってくれるだけで、僕は十分だった。 初めて一緒にクリスマスを過ごした時、なまえに今までのクリスマスの事を尋ねると、彼女は苦いエピソードを話してくれた。引っ越して来て、その年のクリスマスに海司の家にお呼ばれして初めてクリスマスをやった。楽しくて夢みたいだったのに、なまえの母親が乗り込んで来て最後は悲惨だったらしい。「だから昴お兄ちゃんの事はね、うちの母さんには内緒。バレたらまた悲惨になるかも知れないし、昴お兄ちゃんにとばっちりが行くと大変だもん。僕と一緒に遊んでる時とかに母さんが来たら昴お兄ちゃん、隠れてね」「やだ。オレ、お前守るって約束したもん」「ダメっ! ダメだよ。うちの母さん、鬼みたいって言ったろ? フツーじゃないんだ。だからお願い。約束しないと、危ないから、もう……遊ばないよ」「えー! 何、言い出すんだよ。それこそやだよ!」「だって昴お兄ちゃんに何かあったらやだもん!」 仕方なく、約束した。何だか納得がいかない。不服そうな顔をする僕に、なまえが言った。「大丈夫。僕、逃げんの上手いし、慣れてるから。足、速いしねぇ。へへ……」 なまえは人差し指で鼻の下を擦り、何だか自慢そうに笑った。「何だよー。オレだって速いぞ。じゃあさ、お前ん家のおばさんが来たらお前と一緒に逃げる! それなら良いだろ? 一人で隠れるなんて、卑怯だし格好悪いよ。オレらしくない」「んー確かに、昴お兄ちゃんらしくないかもなー」「だろう。じゃあ決まりだ」 それから、程無くして僕はなまえの言葉を実感した。なまえの言う通りなまえの母親は、本当に普通じゃなく鬼みたいで当時まだ小学生だった僕は正直、怖かった。たまにおばさんが来るとなまえは感が働くのか、おばさんが近くに来る前に気付いた。僕はなまえの手を引いて必死に走って逃げた。一度『何で近付く前に分かるんだ?』と聞いたらなまえは『きっと防衛本能だ。あれで逃げられないと、死ぬ程殴られるから』と言った。 ● ○ ● ○ そしてオレは中学に上がった年に、それを目の当たりにする事になった。その日、オレは習い事が終わってから、いつもより少し遅く公園に行った。なまえは母親に捕まって棒みたいなので殴られてた。
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