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「何で? 汚くないじゃないか。沢山、洗ったろ?」「う、ん……」 俯くなまえの手を取り見る。そして言った。「ほら、綺麗じゃないか。あのおばさんに、見せてやろう」「……でも多分、ダメだよ」「どうしてさ?」「格好が……みすぼらしいって。前に言われた」「え? だってTシャツ、綺麗なのに着替えたろ? そんなのおかしいよ」「ん、そうだけど……。多分、聞いてくれないよ。あのおばさんも僕が、嫌いみたいだもん。ねぇ、僕はあのベンチで待ってるから、昴お兄ちゃん行って来なよ。昴お兄ちゃんだけなら、きっと大丈夫だから」 なまえはしょんぼりと肩を落とし、トボトボとベンチまで行って座った。(あんなに楽しそうだったのに……)「なまえ、良いよ。帰ろう」 僕は、なまえの前に行き、そう声を掛けた。『え? 良いの?』と聞くなまえのおなかが“グーゥー”となった。途端になまえが真っ赤になった。「ふふ。そういえば、おなかすいたな。オレ、おにぎり持ってる。一緒に食べよう」 遠慮するなまえに『一緒に食べた方が、美味しいだろ』とおにぎりを持たせた。なまえは『ありがとう。いただきます』とスゴく旨そうな顔で、噛み締めるように『美味しい』と言いながら、おにぎりを食べた。お茶とバナナも半分こして食べ終えると、なまえはちょっと元気になり、笑顔になった。「なまえ、まだ時間大丈夫なの?」『うん』そう言うなまえに僕は『僕ん家に来いよ。僕の本も、沢山あるから』と言った。トメに電話を入れ、運転手さんに来てもらった。なまえは最初の内、おどおどとしていた。それでも運転手さんとトメに、きちんと挨拶をした。トメは『お小さいのに、しっかりしてますね』と感心していた。僕の部屋で、本棚の本を前になまえは『うわぁ……』と声を漏らしまたワクワクした顔になった。それから、二人で本を読んだ。暫くするとトメがおやつを出してくれて、なまえは目をキラキラさせた。トメが作ってくれたケーキを食べて『スゴく美味しい』と感動したみたいに言った。なまえと話すのは、思いの外楽しくて時間はあっという間に過ぎて行った。 僕達は、また一緒に遊ぶ約束をして公園に送って行った。
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