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ぐたーっとする彼女に『大丈夫か?』と聞くと珍しく『ダメーー』と答え力を抜き過ぎてソファーから転げ落ちそうになった。慌てて、支え抱き起こす。「疲れたか?」「ん、めちゃめちゃ緊張したー……」 彼女が答えると室長も『はぁあぁ……』と安堵のため息をついた。「本当ねえ……ハラハラしたわよ。破談なんて事になったらどうしようかと思ったわあ。無事おさまって良かったけど、さすがに疲れたわねえー」「うん、疲れた……」 そう言って二人共、本当にぐったりした。 明智さんが、気を利かせて室長にはお茶を、オレ達には蜂蜜レモンを、出してくれた。「カフェインには一過性の疲労回復効果があるから、ボスはお茶で。チビと昴には、クエン酸と蜂蜜がやはり疲労を和らげるからこれを飲め。頑張ったな。お疲れさん」「ありがとう。いただきます……はあー染み渡るぅー美味しい」 そう言ってやっとホッとした顔で蜂蜜レモンを飲む彼女。 メンバーがワラワラと寄って来て労う。「一柳さん良かったですね。『さらって逃げます!』ですよ? 愛されてますねー」「おお、あれはチビの愛を感じたわ。ええなー。俺も言われてみたいわ」「しかし、昴の婆さんは凄いわねえ。あれは大物ね。さすが、警視総監にまでなる人の御母堂だわ」『確かに』と皆が頷いた。『でも』と室長が続ける。「チビ助、アンタ何だかんだで結構、気に入られてるみたいじゃないの。良かったわ。女帝に気に入られとけば、先ずは一安心ね。昴、アンタ、うちの娘を頼むわよ。御母堂も凄いけど、親戚も凄そうだから。アンタが守ってやってちょうだいよ」『うん、うん』と頷くみんなの視線を受けて『はい』と返事を返した。 その日は残業も無く、みんなで軽く飲んでから帰宅の徒に着いた。彼女は疲れてる所に飲んだのが効いたのか、いつもより飲んでないのにフラフラしてた。危ないのでおんぶしてやった。「すぅーばぁーるぅー……ありがとう」「ん、この位朝飯前だ」「すーばーるぅ、ごめんねぇー」「なんだ、いきなり」「僕がぁー、フツーに生きて来なかったせいでー、こんな騒動になってぇー。明日からじろじろ見られちゃうかもぉー」「いいよ。見たいヤツには見せとけ。お前はオレの自慢だ。なまえ」「んー?」「ありがとうな。今日、すげー嬉しかった。オレ、これからもお前を大事にするよ。オレの宝物だからな」「僕もぉー! 昴はぁ、僕の宝物だから、大事にするぅー! えへへ。だーいすきっ!」 そう言ってよりぎゅっと抱き付く彼女のぬくもりを感じながら、帰り道を一歩ずつ、幸せを噛みしめながら歩いた──。──一難去って。──End.
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