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「それに、あなたに人の事が言えるの? あなた、あの[ひょろひょろ]と結婚したいって言った時、私は反対したでしょう? それを押し切って[ひょろひょろ]と強引に結婚したじゃないの。だいたい、あなた[ひょろひょろ]に甘やかされ過ぎね。本当に頼りない事」「ちょっと、お母様! うちの人を[ひょろひょろ]なんて呼ばないでよ!」「あら? 明星さんや隆一や昴と比べたらひょろひょろじゃないの。何年経っても変わらずに、見た目からして頼りないわよね。あの人」「んまぁ! お母様! よく知りもしないで。あの人をバカにするのは止してちょうだい! 幾らお母様でも、許さなくってよ。あの人は頭が良いの! 理系なのよ! それにうんと優しい人なのっ!」 真っ赤になってプリプリ怒り出した。「ほら、ご覧なさい。あなただって自分の大事な人を貶されたら[よく知りもしないで!]って怒るじゃない。あなた、昴に同じ事してたのよ? 昴の大事なひとをよく知りもしないで、酷い事を言ってたの。大事なひとを貶められるのは、嫌な気分だったでしょう? 少しは反省しなさいな。言って置くけど……この二人の仲を裂くなら、あなたと[ひょろひょろ]にも離婚してもらいますからね?」「え? 嘘でしょう? お母様。何でそういう事になるのよ」「嘘じゃありません。私は結婚を許した覚えはないもの。でもあなたが[ひょろひょろ]を大事に想っているようだから、不問にしてただけよ。人の仲を裂くなら、あなたにもきちんとしてもらいますよ。そうね。先ずは説得する所から、やりなおしてもらいますから。でも、あなたみたいに非常識に、我が儘ばかり言ってたら、あの[ひょろひょろ]も再婚してくれないかも知れないわねぇ。ほら、帰りますよ。それとも[ひょろひょろ]に迎えに来てもらう?」「何、言ってるのよ。お母様、うちの人は仕事中よ」「こちらの方達や昴達だってお仕事中よ。呼ばれたくないなら、これ以上お邪魔しない内に行きますよ」 叔母に言って急かし立ち上がると、思い出したようになまえに聞いた。「そうだ、なまえさん。あなたのお料理、菫さんのお料理の味付けに似てるそうね? 隆一が自慢してたわ。良ければ今度、私にも食べさせていただける?」「はい。私の手料理で良ければ喜んで」 彼女が答えると嬉しそうに、微笑んで言った。「じゃあ楽しみにしてるわね」 今度は、叔母の方を振り向きちょっと怖い顔で言った。「ほら、あなたは帰る前に、皆さんにきちんとお邪魔した事と、お騒がせした事を謝りなさいよ?」 叔母がみんなに謝り、楓さんに大人しくついて行った。楓さんは叔母にお小言を言いつつ、連れ立って帰った。二人が帰った後は嵐が過ぎ去ったように、“シーーン”と静かでオレ達は皆、呆気に取られた。暫く後、彼女がぽつりと言った。「ねぇ、結局許されたの?」「ん? んー、多分。あの人も離婚は嫌だろうからな。これで静かになるだろう」 そう答えると、彼女は『そうかー』と息を吐き出しながら、へにょへにょとへたり込んだ。
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