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「昴の言う通りですよ」 意外な声に、視線をやる。『楓さん』オレと彼女が思わず呟くと叔母もポカーンとして呟いた。「お母様……」「お母様、じゃありませんよ。全部、聞かせてもらいましたよ。ぐちぐちぐちぐちと、情けない。全く。貴女はこんな所まで押し掛けて、何やってるの?」 呆れたように叔母に言う。叔母はふてくされたように答える。「私は、隆一の所に目を覚ましなさいって言いに来たのよ。一柳の一大事ですもの。ほっとけないわ。なのに、あの子全然話が通じないのよ。私が一生懸命話してきかせてるのに『そんな雑誌を鵜呑みにするのは、彼女の事を知らないからだよ。反対する気はない』って。埒が開かないから直接話に来たのよ」 そう言う叔母にため息をつき、室長やみんなに『ご挨拶が遅れまして。昴がいつもお世話になっております。お仕事中に娘がお騒がせして、ごめんなさい』と謝り頭を下げた。そして、彼女に『なまえさんも、ごめんなさいね。非常識なバカな子で。不快な思いをさせたわ』と言い、彼女は慌てて立ち上がり『いえ、私の方こそご迷惑をお掛けして申し訳ありません』と頭を下げた。楓さんが何か言い掛けると叔母が横から口を挟む。「本当よ。良い迷惑だわ。元はと言えば、貴女のせいですよ。良いこと、ご自分の身の程をわきまえて、大人しく一柳から手をお引きなさい」「それは、出来ません。お騒がせしてご迷惑をお掛けした事は謝ります。ですが、別れません。至らない点は、埋められるよう努力します。認めて下さい。お願いします。どうしても別れろと言うのであれば、昴さんをさらって逃げます。彼に色んなものを諦めさせてしまうけど……それでも、私は彼から、離れません! 彼に払わせた犠牲は、私の全てを掛けて、彼を幸せにする事で償います。でも、そんな事したくありません。出来れば皆さんに認めていただいて一緒になりたいんです。お願いします」 そう言って彼女は、頭を下げた。「まあ、開き直り?」 尚も、そんな事を言う叔母。この人が自分の身内かと思うと恥ずかしく、腹立たしかった。オレが、たしなめようと口を開き掛けるとそれより早く声が飛んだ。「いい加減になさい!! 私が、なまえさんが気に入ってこの方が良いって言ってるの。明星さんも、隆一も賛成してるわ。そこにあなたが、口を出す必要はありません! だいたいね、あなたがいつまでもごちゃごちゃ言うから、他の子達までつられちゃうのよ? 全く、うちの子達と来たら。少しは真剣に、甥の幸せを考えたらどうなの? あなたが拘ってる家柄だのは、一番の問題じゃありませんよ。そんな事も分からないなんて。一番大切な事は、愛し合っているかどうかですよ」「そ、そんな事、会って間もないお母様に、だって分からないでしょ? 騙されてるかも知れないじゃない」『おだまり!』ピシャリと言うとスマホを出し操作した。何かを出し、叔母に見せる。「あなたと違って私の目は、節穴じゃありませんよ。ちゃんと昴を見てれば分かるのよ。ほら、これをご覧なさい。昴のこの顔。もう好きで好きで仕方ないって顔してるでしょう? こんなに幸せそうな顔、菫さんがいた頃以来、見られなかったのよ? あなただってそれ位の事は、分かるでしょう? 昴にこんな顔をさせられる娘さんは、なまえさんを逃したら、もう現れませんよ」.
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