ご利用の端末、あるいはブラウザ設定では夢小説機能をご利用になることができません。古いスマートフォン端末や、一部ブラウザのプライベートブラウジング機能をご利用の際は、機能に制限が掛かることがございます。
「バカ、謝んな。お前のせいじゃねーだろ。過去の事なんて言い出したらオレのが、よっぽど素行不良だよ。叩いて全く埃が出ない人間なんてそうはいねーつうんだよ」 八の字眉になってる彼女に言った。「それにな、お前の過去の事なんて、父さんも知ってるぞ。きっと。お前、あの人の情報網甘くみ過ぎ。すましてっけどな。あれで結構、抜け目がない策士だぞ。あの人は。狸なんだよ。……嘘だと思うか?」「……」「んじゃ、確かめてみろ」 スマホを出し掛ける。ワンコールですぐに繋がった。「オレです。今、良いですか?」 そう言うといきなり『やっぱり、そっちに行ったか。止めたんだが……』と話出した。「は? 止めた? 誰をです?」 そう問い掛けて、彼女が不安気な顔で見てるのが視界に入った。話始めそうな父さんを止め、言った。「その話の前に、父さんに聞きたい事があるんです」 彼女にも聞こえるようにスピーカーにして質問した。「父さんはなまえの昔の事、ご存知でしたか?」「昔? 子供の頃かい?」「いえ」「……あの雑誌の事かい? あれは、大袈裟なような気がするけどね。まあ、ああいう雑誌はそういうものだろうから──」「じゃあ、ご存知でしたか?」「彼女は昔、表彰されているだろう? その時に見覚えがあったんでね。ちょっと情報を得たよ。なんだい? まさか、昴、君も雑誌を気にしているのか? 君だって子供の頃は兎も角としても……彼女を責められる程、品行方正ではなかった筈だが」「いえ、気になんてしていませんし、責めてもいませんよ。彼女が父さんの事を気にしていたので」「そうか、気にする事はないと伝えてくれ。ただ、うるさいのが行くかも知れない。さっき私の所に訪ねて来てな。話はしたんだが、もしかすると……聞く耳を持っていないかも知れない。もし行ったら、すまないが昴、君の方で何とかうまくやってくれないか。私が出向けば良いんだが、これから出る予定があるんだ」「はぁ。うるさいのと言うと誰のこ──」 言い掛けた時、捜査室のドアが“バン!”と大きな音を立て叔母が雑誌を手に凄い剣幕で乗り込んで来た。父さんの方まで声が聞こえたらしく、ため息と共に『すまないな』と父さんが電話の向こうで謝った。
このサイトの読者登録を行います。 読者登録すると、このユーザーの更新履歴に新しい投稿があったとき、登録したアドレスにメールで通知が送られます。