ご利用の端末、あるいはブラウザ設定では夢小説機能をご利用になることができません。古いスマートフォン端末や、一部ブラウザのプライベートブラウジング機能をご利用の際は、機能に制限が掛かることがございます。
「何だ、チビ助。感度はずいぶん、良いじゃねえか。エロガキなだけじゃねえんだな。それだけ良きゃ合格だ。感度は重要だぞ」「うぅ、や、やだ! もー! お父さんのばかー!」「何だよ。褒めてんじゃねえか。くくく……チビ助はエロガキの癖に、恥ずかしがりなんだよなあ」「そうそう。おチビちゃんは好奇心旺盛だけど、恥ずかしがりなんだよねぇ。恥ずかしがらせながらさ、色々教えてあげたくなるよねぇ」 室長は彼女の反応をニヤニヤ楽しんで、小野瀬さんは彼女に迫った。 小野瀬さんの手が彼女に、触れる前に引き寄せ腕に隠す。「お前ら、ふざけんなよ! オレの大事な女房に手を出したら、ただじゃおかねえぞ!」「あー! また一柳のヤキモチが始まったー」「うっせー。だいたいな、凛子。お前の触り方がいやらしいんだよ!」「えーそう?」「そうだよ! どこぞの欲求不満のエロオヤジみてえに、しつこくエロ揉みやがって! このバカ。なまえに触れていいのはな、オレだけなんだよ」 ギャーギャー、ワァーワァー、言い合ってると後藤が呆れた面で『全く、小さい男だな』と言いやがった。「何っ!?」 カッと来て、思わず声を荒げる。──むぎゅーぅ すりすり──「へっ?」 オレの腕にいた彼女が、甘える時のようにすりすりとした。 突然で呆気に取られるオレに、とてものんびりと気持ち良さげに彼女が言う。「はぁー。気持ち良い。安心するぅー」──すりすり── タイミングがタイミングだけに、みんなもぽかーんとしている。すると──。「これ、僕のだもーん。凛子さんにも、後藤さんにも、あげないよぉーだぁ」 しっかりと抱き付いたまま振り向いて言い、片手であっかんべーをした。「昴ぅ、もう他の人はいいよぉ。いつも言ってるでしょ。昴は僕のなんだからね。きみはよそ見しないで、僕をこうして抱っこしてなさーい」 あっかんべーをした手で、オレの手を掴み自分に持って行き『ね?』とオレに笑った。 室長と小野瀬さんが笑い出し、いつもみたいに小笠原が『チビのひとり勝ち』と言った。 オレは、凛子も後藤もどうでもよくなった。すっかりさっきの彼女の笑顔にやられてしまったみたいだ。もう彼女が可愛くて可愛くて、ぎゅっと抱きしめた。 それを見た凛子が『いいなあ』と言い、先輩に『宏明、あたしもー』とねだるのが聞こえた。 如月が『あーあー。ラブラブが感染、拡大してるー』と騒ぎ、藤守が『俺も抱きしめる彼女が、欲しいわー』と叫んだ。 石神がフッと笑い、静かに呟く。「いつも通りのお祭り騒ぎになりましたね」 小野瀬さんが、それを聞きふっと笑顔になる。「でもさ。それが一番じゃない? なぁ、穂積」「ああ。それだけ元気って事だからな。まあ、いいんじゃねえか。ほら、石神さん、飲めよ。桂木さんも」 鬼軍曹殿達が、騒ぐオレ達に目を細め酒を口にするのを、視界の端に捉えながらオレは腕の中の温もりに幸せを感じていた──。──人質。──End.
このサイトの読者登録を行います。 読者登録すると、このユーザーの更新履歴に新しい投稿があったとき、登録したアドレスにメールで通知が送られます。