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「わ! ちょっ、凛子、お前! 離せ!」「凛子。チビ助が、死ぬっ。離せ」 わーわー言ってると先輩が気が付いて、慌ててやって来て酔った凛子を剥がした。「あっ! 気絶してるんじゃない? チビ。しっかり」「チビ助、おい」「おチビちゃん!」「おい、なまえ?」「なまえ。しっかりしろ。一柳、そこへ寝かせろ」「あ、ああ」「俺、水もらって来ます!」「黒澤。冷たいおしぼりも、もらって来て下さい。なまえさん。しっかりしなさい」 彼女は完全に落ちていた。 オレも室長も横わけコンビも、そこにいた連中はみんな慌てふためいて大わらわだった。 遅れて到着した桂木班のメンバーも、予想外の事に目を丸くした。 後から来た桂木さんが一番冷静で、パキパキと指示をした。「気を失っているが、大丈夫だろう」 衣服を弛めて、頭を冷やし様子を見る事に。 凛子が先輩に諭され酔った頭で、漸く自分の仕出かした事を認識し、心配しておろおろし出した。 怒ってやろうと思ったが情けない顔で『ごめん』と繰り返し、先輩と一緒に謝る凛子をそれ以上責める事は出来なかった。それに彼女も数分後には、一旦気が付いた。そして『眠いれしゅ』とまた直ぐに寝てしまった。 仕方なく、みんな心配しながら起きるのを待った。暫く後で漸く起き、覗き込むオレ達にギョッとした。 明智さんと小笠原に『だいたい病み上がりで飲み過ぎ』と怒られ海司にも怒られて、彼女はみんなに謝ると借りて来た猫のように大人しくなった。凛子も先輩に怒られてやっぱり大人しくなった。 まだ酔いは醒めてないようだが失敗した自覚はあるらしく、シュンとする彼女。 オレはちょっと反省させたらフォローしようと思っていた。 室長や他の連中も飲みながらチラチラと彼女の様子を見ていたから、多分同じ事を考えていたと思う。 黒澤が石神に何か言われて席を外した。 そろそろ声を掛けようと思った時、石神が声を掛けた。「なまえさん」 おずおずと上目遣い気味に『ハイ』と返事をする彼女にくいっと眼鏡を上げ『反省していますか?』と一言。『ハイ、またご心配を掛けてごめんなさい……』とぺこっと頭を下げて謝り小さくなった。 また名前を呼ばれ伺うように石神を見た。何を言われるかと、ちょっとびくつきながらよく無意識でやる例の上目遣いでじーぃっと見る仕草をして続きを待つ彼女。 普段よくやられてるオレ達でさえ、あの上目遣いには弱い。やられ慣れていない石神は、ドキッとしたのか一瞬目が泳ぎ心なしか顔を赤らめた。 隣にいた後藤と桂木さんまで似たような反応をし、目を逸らした。 一瞬だが見逃さずしっかり見たオレは、ちょっと面白くなかった。室長と小野瀬さんは、オレとは逆に面白そうにニヤリとした。 石神は誤魔化すようにゴホンと咳払いをし口を開いた。「反省してるようですね。きちんと反省出来たのならそれで良いでしょう。ところで、具合は悪くありませんか?」「はい。大丈夫です」「そうですか。貴女は確か、甘い物も好きでしたね?」 頷く彼女。そこで、黒澤が両手に箱を持ち戻って来た。「なまえさん、これを。退院のお祝いです」 黒澤から受け取った彼女が嬉しげな声を出す。「わあー。美味しそう!」「これは、旨いと話題になっているやつじゃないか」 と、明智さん。
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