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「忙しいのに寄ってくれたんだね。凛子さんも桐原さんも、いいひと。知り合えて良かった」「ん。でも、まさか泣くとは思わなかったな」「きっと、すっごく心配掛けたんだね。悪い事した」「ん。戻って来たら、奢ってやらなきゃな」「だね」「他の連中にも心配させたし、そん時はみんなも呼ぶか」「うん」 話しながらベッドに戻る。布団をめくり横になるように促し、オレもくっつけたベッドの彼女の隣に横になる。「ねぇ……」「ん?」「甘えてもいい?」「いいよ。ほら」 腕を広げ彼女を抱き包む。「嗚呼、良かった。僕の昴が戻って来て――」 彼女は心底安堵したようにポツリと漏らし、そのまま眠りに落ちたみたいだ。(ふふ、オレと同じ事考えてたか) すうすうと眠る彼女の息遣いを腕の中に感じると心が安らいで行った。 ● ○ ● ○「なまえちゃん、何飲んでるのー? ビール? じゃあ注いであげる。はい、どーぞ。かんぱーい」 凛子がいつかのようにドンとオレを押し退けて、彼女の隣を陣取った。 自分もガンガン飲みながら彼女にも飲ませてるので、途中で止めるが。この女はオレの言葉なんか聞いちゃいねー。段々酔って来ると、彼女にべたべたし始める凛子。「なまえちゃん、聞いたわよー。一柳の偽物、一目で見破ったんですって? 直ぐ分かったんだ?」「あい。直ぐ、分かりましたよ」「あれは凄かったよねぇ。おチビちゃん。入って行った時に、じぃーと見てたよね」「チビ助。あの時に、もう変だと思ったのか?」「ん、何となく瞬間的に違和感を感じてーぇ。はれ? 何だろうってぇ思いまちた」(あ? 酔っ払って来てるか? もうそろそろ止めねーと)「皆さんは気付かなかったんですか?」 室長に酌をしながら、黒澤が聞く。「ああ。分からなかったな」「かなり似てたよね? おチビちゃん。よく気が付いたよな」「私も取り調べで見ましたが。確かに、かなり似ていましたね」「俺は見ませんでしたが、石神さんと後藤さんは会ったんですよね? 偽物に」「ああ。よく似ていたな。声なんかも、違和感がなかった。一柳を取り調べてるような気になった。ただ、ヤツの方がローズマリーよりも、気弱で大人しかった」「がはは……そりゃそーよ。こーんなオレ様が、そうそういたら大変よー。もー、なまえちゃんってば。いー子、いー子。やっぱ、そうよねぇ。あたしも一柳は、見抜けないけどー。広明なら、一発で分かるな。自信あるわっ!」「ふぅーん。そんなもんか?」「そうですよ。穂積先輩。そういうもの、です。だって、愛情が違うもの。ねー? なまえちゃん。愛する人なら分かるわよねー? なまえちゃんも、もしまたこいつの偽物が現れても分かるでしょう?」 そう言いながら、またビールを注いで飲ます凛子。「ちょーでしゅねー、きっちょ、分かりましゅ……」「こんなヤツでも、なまえちゃんは愛してるのねぇ。もーこの子ってば、一途で可愛いんだからー」(だよな。なまえは可愛いよな。それは、同意見。でもこんなヤツって、失礼な。それにこいつ邪魔過ぎ……)
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