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彼女の布団に潜り込む。見れば、オレの為のスペースを沢山開けようとして彼女は、ギリギリの所で寝てる。実に、彼女らしい。でも──。「お前、端っこ寄りすぎ。落ちちゃうぞ」 ちょっと笑い、彼女を引き寄せて腕に包む。「大丈夫? 狭くない?」「大丈夫。お前、ちっこいからな。余裕だ。それに狭い位のが引っ付けて良い。あーこうしてるとあったけーし、なんか落ち着く。な?」「ん……」「なまえ、急に元気無くなったな」 そう言って顔を見ると彼女は、ちょっと泣きそうな目になってた。「ん? どうしたんだ? 言ってみな?」「……昴、ごめんね」「何、謝ってる?」「僕がボケボケして捕まったから、君まで危なくなった。僕が捕まらなかったら、君、大変な思いしなかったのに。それなのに、僕、助けにも行けなくて。ちっとも役に立てなかった」「そんな事考えてシュンとしてたのか? バカだな」「僕、アイツの言う通り、昴の足枷になってたもん……」「あ? あんなヤツの言う事なんか真に受けんな。お前は足枷なんかじゃねーよ。お前、必死でオレを守ろうとしてただろ? ちゃんと知ってるよ」「でも、やっぱり僕がボケだったからだもん……」「違うよ。誘拐なんてする方が悪い。何もしてない被害者のが悪いなんておかしいだろ? 今回、お前は被害者なんだぞ。分かる?」『んー』と彼女。「だからもう、そんな顔すんな。お前はいつもみたいに明るく笑ってろ」 痛くない程度に彼女の頬っぺたを摘まみ、うにょーんと引っ張り上げ、笑い顔を作るみたいにした。「それにさ、お前だけオレの偽者に気付いたんだろ? おかげで室長達が直ぐ来てくれて助かったんだぞ。ふふ……お前、やっぱりオレを愛しちゃってんだなー」 からかうように言う。彼女が赤く照れた顔になった。「偽者に何て言ったんだっけ? 僕の昴は目の輝きが違うだっけ? あれ? 心底惚れてる格好良い昴とは全然違うだっけ? なあ、遠慮しなくて良いからもう一回、言ってみ? オレ、聞いてなかったから聞きたいなー」「……も、もう、忘れた」「嘘つきー。そんな真っ赤な顔して、バレバレだっつーの。可愛いな。なまえは」「もー! からかわないでよぉー。いじわるぅ」「良ーいの。オレはいじわるで。だっていじめると、いろんなお前が見られるからな」「いろんな僕?」「ん。照れた顔、真っ赤な顔、膨れる顔、困った顔。みーんな好きだからな。いっぱい見たいんだよ。だから、からかいたくなる」「もー子供みたい」「いいだろー。そういう子供みたいなオレ、知ってんのは多分お前だけだよ。お前だけ特別……ん? 何、嬉しそうな顔して」「だって……嬉しいもん」「プッ、あはは……お前、本当可愛い!」 赤くなる彼女を抱きしめる。「さ、一緒に少し眠ろう。ずっとこうしてるから、安心して良い夢みろよ」 背中を優しく叩くと、小さく寝息を立て始めた。(やっぱり、疲れてたみたいだな)
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