ご利用の端末、あるいはブラウザ設定では夢小説機能をご利用になることができません。古いスマートフォン端末や、一部ブラウザのプライベートブラウジング機能をご利用の際は、機能に制限が掛かることがございます。
● ○ ● ○ どうやらオレは地下に幽閉されていたらしい。メモを確認しながら出口へ向かう途中、なにやら上の方が騒がしくなった。「チッ、もう気付かれたか?」(隠れる場所を探すか、倒すか……瀬能の口振りだと解毒を急がねーとヤバそうだった。なら、道はひとつだ!) オレは螺旋階段を駆け上がった──。 上から複数の足音がする。(何人居ようが負ける訳には行かねーんだ。ぜってー突破してやる! なまえ、待ってろよ) そう強く思い心積もりをし、前に人影が現れるのを待った。そんなオレが次に聞いたのは……。「警察だ!」 聞き覚えのある声と台詞だった。「室長!」「昴!」「無事だったんか! あー良かったわ」「一柳さん! 良かった」 室長に続き、藤守と如月がそう言ってちょっと泣きそうな顔になった。「昴、ここは俺達に任せて警察病院に急げっ! アイツが、チビ助がヤバいんだ。表の*PCで早く」 室長に瀬能達が、人質を取られ身動きが取れない事を早口で説明して病院へと急いだ。 ● ○ ● ○ 病院に着くと小野瀬さんが待っていた。メモを見せ医者に投与を頼んだ。小野瀬さんは科察研に連絡を入れた。事情を聞いたオレは電話を代わってもらい、山田女史に礼を言った。あいつが回復したら二人でお礼に行くと約束して小野瀬さんに返した。 通話を切った小野瀬さんが言うには、山田女史は『このままにするのは嫌だ』と引き続きあの薬を調べるらしい。 投与後、数時間経った頃医者がもう一度様子を診に来て告げた。「安定して来ています。峠は越えたようですね」 一段落つき、室長と父さんと後藤と石神達に連絡を入れ現状などを報告した。 室長は心底安堵した声で『良かった』と漏らすように呟いてから、いつもの口調になり『後で行くわ~』と言った。父さんは『私のせいでとんでもない事態に捲き込んで。お前にも彼女にも申し訳なかった』と謝った。とても疲れた声だった。その声から、俺達を心配してくれていたんだろう事が伺えた。ふと、こんな時彼女ならきっとこういうだろうと思い伝えた。「心配いりませんよ。それに、オレ達は警察官ですからね……。それより、色々ありがとうございます。彼女が元気になったら、一緒に飯でも行きましょう」「昴……。ああ。楽しみにしているよ」 父さんにも後藤や石神にも素直に、礼を言う事が出来た。後藤には『ローズマリーがそんなに殊勝だと気持ちが悪い』と憎まれ口を叩かれたが、最後に『……アイツが助かって良かったな』とポツリと言われた。その後で通話を変わった石神は『不粋なテロリスト達や後の事は、こちらに任せて下さい。貴方は当分、彼女の世話に忙しくなるでしょう。……あんなに頑張ったんです。褒めてやって下さい。貴方の言葉が一番嬉しいでしょうから。では、妹を頼みましたよ』と言い、後ろで黒澤が何やら騒いだが、こちらが何か言う前に通話を切られた。*PC:パトカー
このサイトの読者登録を行います。 読者登録すると、このユーザーの更新履歴に新しい投稿があったとき、登録したアドレスにメールで通知が送られます。