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ただ、水を持って来る監視役からどうにか聞き出した情報では、彼女は救出されたらしい。警察は彼女と例のオレの偽者を無事救出して、ダミーの連中を逮捕して行った。これで事件は終結する。 その裏ではある筋書きが着々と進行している。それを知らず終結を向かえたと思っている警察や、親父には隙が出来る筈。今、向こうではオレの偽者が、時期を待っているらしい。彼女は救出はされたが、数種類のある成分薬を投与しなければ、助かる見込みは低い。近い内に彼女は死に、今回の元凶を作った親父を怨み、オレの偽者が親父を手に掛ける。その後で偽者は消え、オレは解放されて親父殺しを擦り付けられる。だからオレは生かして置く必要がある。偽者のオレの事やこの計画は、ごく一部だけしか知らない。今回捕まった奴らは知らないから、取り調べても何も出て来ない。バレる心配もなく、今のところ全てが計画通り順調に進んでいる。 見張りから聞き出した話しはこんな所。これが本当ならタイムリミットは直ぐそこ。その上救出の見込みも低そうな、いささか洒落にならねー状況に陥っている事になる。けど、諦めるワケには行かねー。彼女に数種類の薬品投与が必要な事を伝えて何とか彼女を助けなければ。(オレは諦めねーぞ。アイツを死なせてたまるか。ぜってー助ける! 何とか脱出する方法は……) 必死に打開策を考える。(見張りに一人、女がいた。お喋り親父の見張りよりは隙が出来るかも知れない。それを利用して何とかするか) オレは女が来るのを待った。 ● ○ ● ○「よう、ちょっとさ。この格好だと寒いんだけど……」「…………」「何かねえ?」 戸惑った顔で女がこっち見た。「なぁ頼むよ。何か着るもんくれねえ?」「……何でも良い?」「ああ。Tシャツだけよりは、あったけーだろ? もう寒くてよ」「本当はダメなんだけど……仕方ないわ。あなた、寒そうだもの。ちょっと待ってなさい」 ● ○ ● ○ 暫く待つと女が洋服を持って来た。「こんなので、良いかしら? 彼も背が高いし、貴方にも着れるサイズだと思うけど……」「サンキュー」「今着せてあげる。だけどここは迷路みたいになってるから、一人で捕まらないで逃げるのは無理よ。捕まればきっと酷い事をされるわ」「大人しくしてるよ。とにかく着せてくれ。もう寒くてかなわねーんだ」 鍵を外す前に躊躇いを見せつつも女は、手枷と足枷を外し洋服を着せてくれた。(後は胴体に回った鎖だけか。これも何とか外させねーと。距離も近けーし色仕掛けと行くか。他に出来そうな事もねーしな)「どう? 少しはマシになった?」「ああ。ありがとうな。……つーか、お前、美人だな。なあ、まだちょっと寒い。お前、あっためてくれよ」 女を抱きしめようとした。「やめてよ。そういうのは困るわ」 女がオレの腕を押し退ける。ヤツの仲間にしては、まともな反応が返って来た。(こいつ、反応があの男達と違って普通だな。本当にテロリストなのか?)
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