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「んじゃ、もういっぺん聞くがよ。胸にあったあの小さなホクロ。どこ消えたんだ? ちっこくて、他のヤツが気が付かなくてもさ。僕は、毎日見てたんだ。見間違いなんてしねーよ。それからな、背中の爪痕や肩の噛み痕。消えたって言ったな? ふふ。バーカ。んなもん、最初からねーよ。そもそも、噛んでも無いのに噛み痕があるわけねえ。背中も同様。僕が傷が残るほど、昴を引っ掻く訳きゃねーじゃん。あー、最後にもうひとつダメ押しで教えてやるよ。あのな、お前は黙って噛み付かれてたけど、本物の昴なら反応が違うよ。大不正解だ。本物の昴なら──笑いながら、こう言って噛まれる前に止めるね。『アニメの真似しなくていーの』ってな。ありゃ、僕が見てたアニメのワンシーンでな。たまに、おふざけで真似すんだよ。お前、そんなの知らなかったろ? それに万が一、僕が噛み付いたとしてもな。本物なら対応も絶対違う。アイツならな、グッと堪えてやんわり外すよ。そんな『ヒィーヒィー』言ったり、ましてや僕を叩くなんて事は、絶対しないね。アイツはな。僕が心底惚れる程、めちゃめちゃ強くて格好良い男なんだよ。フッ、お前さ。誰かのフリで潜入するにゃ、詰めが甘いぜ。リサーチが足んねーんだよ。つー事で、お前の真似はダメダメな訳だけど、何か反論は? ねーなら──」 チビ助が手に更に力を込める。指が男の頬に食い込む。「とっとと、昴の居場所を吐きやがれっ! 今すぐにっ! お前がモタモタしてる間に、もしも僕の昴に何かあったら──」 怒りを力に変えるみたいにギリギリと力を込めてく。皮膚が破れ頬に爪が刺さり、血が流れても強く握ったままだ。「僕の昴にもしも何かあったら、僕は……全てを捨てて鬼になる。鬼になってお前と、あのムカつくクソ野郎を、どこまでも追い詰めてなぁ。取っ捕まえて[頼むからもう殺して楽にしてくれ]って哀願したくなるくれーに徹底的にいたぶってやる。この世の地獄を、たーっぷり味合わせてな。それから、ゆっくり息の根を止めてやるよっ! フッフフ……言っとくが、本気だぜ? 嘘だと思うなら、そのまま黙ってろっ!」 今にも食い殺しそうな正に鬼のような形相で睨みて付け、啖呵を切った。 男は迫力に飲まれ真っ青で『ひぃー、ひぃー』言っている。チビ助が渾身を込めたように、もう一度『言えーえぇっ!』と叫んだ。男は小便を漏らし胯間を濡らしながら、昴の居場所をゲロした。 チビ助は昴の居場所さえ吐けばもう男に興味は無いのか、まるで捨てるみたいにドッサリと落とした。
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