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● ○ ● ○ 翌日の定時近くになってから、病院から知らせがありチビ助が目覚めたと言うので昴やみんなと病院に向かった。病院に着く間、みんなが『良かったな』『チビの事だから昴に会ったらまた大騒ぎするぞ』『ですねー』などと笑顔で言い合った。みんな、嬉しそうにチビの笑顔を期待して病室へ急いだ。だが、俺達を迎えたチビ助の反応は予想とは違い、静かなものだった。病室の出入口に立った俺達をチビ助は、くりくりとしたあの黒い瞳でじいーっと見た。この無言でじっと見る動作はたまにする事ではあるが……。じいーっと穴が開くんじゃないかと思う程、見つめるその瞳に俺は何か引っ掛かりを感じた。「なんや? チビ、どないしたんや? そんなに見つめて」「あれですよー。藤守さん。久しぶりにダーリンの顔を見たんできっと見惚れてるんですよー」「ああ、そうか。数日ぶりの対面だからな。チビ、良かったな。お前の大事な昴も無事だったぞ」 藤守と如月、明智が話し掛け小笠原が『チビ、入っても良い?』と聞くとチビ助は、漸く表情を和らげ『うん、どうぞ』と答えた。 その笑顔を見ても、初めに感じた微かな違和感は消えなかった。ふと横を見ると微かに首を捻る小野瀬と視線があった。ヤツも何かしら感じたようだ。とりあえず、様子を見る事にして目で合図を交わし二人で病室へと足を踏み入れた。 病室では昴がチビ助の手を取って『良かった』と言っている。チビ助は静かにそれを観察するようにじーっと見た。「なまえ? どこか痛むのか?」 昴が心配気に覗き込む。チビ助が、そこでやっとにっこりと笑い言った。「ううん、大丈夫。久しぶりにダーリンを見たら、何だか胸がいっぱいで。ダーリン……」 甘い声を出し昴を引っ張った。「ん? 何だ? なまえ」「もっと、近くに来て? 無事かどうか確認しなくちゃ……」 昴の髪を撫で、耳に唇を寄せそう告げるチビ助。(やっぱり何か妙だ……チビ助は照れ屋だ。俺達がいるのに恥ずかしがらずに、こんな甘い声でイチャイチャするか?) 違和感はますます強くなった。だが、黙って見守る事にする。「ねぇ? 大丈夫なのか確認したいの。見せて……」 チビ助はぱっぱと昴のネクタイを取り、シャツを脱がせに掛かった。面食らう昴とみんな。(妙、と言えば昴の反応もだ。いつものヤツならこんな時、こんな風にたじろぐか? ヤツなら寧ろチビ助の反応を楽しむような行動に出そうなのに……。言っちまえば、二人の立ち場が逆だ。やっぱり、何かある……)「逃げないで? ちゃんと見て安心したいの。見せて? ね?」 そう言って昴のシャツを脱がせてしまった。「あらー? ねぇ、昴ぅ。歯形と背中の傷が無いよぉ? おかしいなー」『え?』昴が焦った声を出した。
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