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● ○ ● ○「おチビちゃん、まだ眠ったまま?」「ああ。とりあえず命も助かったし、このまま落ち着けば良いらしいんだが。また、何かあれば、ヤベー状態に逆戻りしちまうって話しだった。一進一退と言う所らしい。今日も意識は戻らなかったしな……」「おチビちゃんが投与されてた薬の解析は?」「今、分析中だ」「科警研?」 小野瀬に頷き、酒を口に運ぶ。事件解決後の酒にしては爽快さとは程遠く、俺の気持ちをそのまま映す苦い酒だ。「山田女史の所で分析中」 科警研の山田は、俺達の同期。学者肌でいささか変わり者だが、IQも高く俊逸なヤツだ。「山田女史のご登場か。すごいな」「警視総監が頭を下げたらしい。医療と、それから薬品関係の、現場で活躍してるその道のスペシャリスト達にも依頼してな。チームを結成したそうだ。凄いらしいぞ。山田女史が『一流揃いだ。打てば響く、話しが早いし楽しい環境だ』と言ってたな」「山田女史が楽しめるって? なら、すごいレベルだろうな。総監も義娘のおチビちゃんの為に、尽力してくれたんだ……」「ああ、あの人もチビ助を大事にしてくれてるみたいだからな。本当に心配してくれてるらしいぞ」「その割には、病院に顔出さないな。お忙しいのか?」「いや、警護に止められているらしい。今はまだ、控えてくれとな」「今は、まだねぇ……。後、捕まって無いのはあのリーダーの男、一人だったよな? それにしちゃ、厳重だな。……なあ、穂積。何か引っ掛からないか?」「引っ掛かる。だが──」「引っ掛かりが何か、見えて来ないんだろう?」「お前もか?」「ああ。……あんまりにも簡単に事が運び過ぎる、よねぇ」「だな。強敵の筈が、いざとなったら飛んだ腑抜け共の集まりだったって感じだ。まあ、切れものは逃げたリーダーだけ、という場合もあるだろうがな。どうもスッキリしねえ。まだ、終わってねえと俺ん中で刑事(デカ)としてのカンが騒いでる」「公安の方は?」「石神か? あれっきりだ。そもそもヤツがチビ助達の為とはいえ、あそこまでやってくれた事、自体が珍しいんだ。あれ以上期待してもあそこの性質上、無理だろう」「だろうな。……にしてもおチビちゃん、心配だ。早く目覚めると良いな。あの娘はどうも危険に捲き込まれるねぇ。安息が遠いと云うか……いい加減にさ、あの娘が安心して幸せに生きられる環境にしてあげたいよな」「だな。刑事だから多少は仕方ないにしてもな。チビ助はただ、懸命に生きてるだけなんだけどな。……アイツには、笑っていて欲しいのによ」 そう心情を口にして今頃、病院のベッドで眠ている筈のチビ助を思った。「今、おチビちゃんには昴くんがついてるんだ?」「ああ。明日辺り、そろそろ目覚めると安心なんだがな」
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