ご利用の端末、あるいはブラウザ設定では夢小説機能をご利用になることができません。古いスマートフォン端末や、一部ブラウザのプライベートブラウジング機能をご利用の際は、機能に制限が掛かることがございます。
「そうね。小野瀬の言うようにチビ助と昴は一刻も早く救出しないとマズい。でも、明智の言う事も一理ある。焦りは禁物よ。昴とチビ助は、頭の回転も良いし腕も立つ。二人でお互いをカバーし合って巧い具合に力を出し合ってるようなそんな組み合わせでしょう。それを、絶妙なタイミングで弱点をピンポイントで突いて、いとも簡単に手玉に取り言う事を聞かせてしまうような相手、謂わば強敵よ。こちらの動きが筒抜け状態で下手に動けば、余計に二人が危なくなるわ」「明智さんと室長の意見は分かりますけど。なら、どうしたら良いんです? チビには時間が無さそうだし……俺、もう分かんないですよ! 教えて下さいよ。室長!」「如月、アンタのその焦れた気持ちは分かる。多分、ここにいる全員アンタと同じ気持ちよ。繰り返すけど、焦った時程、一旦頭を冷やして落ち着きなさい。そして、見落としや糸口が無いか探すの。良いわね? ところで、石神さん。ひとつ確認しておきたい。ヤツ等の目的は警視総監ね?」「やはり、気付いていましたか。狙いは十中八九、警視総監でしょう」「そう考えれば昴が人質の方が都合が良いって言うのも合点が行くしね。だけど、そうなると──」「ますます、チビが危ない。一柳さんを手に入れたら、もう彼女は用済みだ」「これは、内通者を炙り出してる時間はないわねえ」「穂積さん、それから皆さんも聞いて下さい。これから私の持っている情報をお話ししましょう。はじめにお断りして置きますが、これはまだ裏も取れていませんし、何の確証も掴めていない諸刃の剣と言って良い話です。出来ればまだ表に出したくはない。ですが、急がなければ手遅れになります。そのつもりで心して聞いて欲しいのです」「分かった。すまないが頼む」「あの画面に映っていた男ですが、奴はどうやら戮と繋がりがあるようです」「戮ってあの戮か?」 俺の問いに頷く石神。「これは、ますますマズいね」小野瀬が言う。*前回、戮のメンバー逮捕にチビ助は貢献している。戮からすればチビ助は活動を邪魔した目の上の瘤だ。端から始末するつもりだったとも考えられる。石神が急を要すると言うのも頷ける。かなりヤバい事態だ。 石神は相当な覚悟で俺達に掴んだ情報をくれた。今までの石神なら、到底考えられない事だ。その気持ちを無にしない為にも俺達は無事二人を救出しなければならない。 ● ○ ● ○「みんな、良い? 石神から入ったネタは全て*カク秘扱いよ! 口が避けても漏らすんじゃないわよ」 もう一度きつく厳命し、情報を有り難く活用させてもらった。スパイにダミーの情報を与えつつ、裏で着々と救出作戦を進める。そして早々に公安と合同で*狩りを仕掛け、アジトに踏み込んだ。頭の男を逃したものの、テロリスト集団を一斉確保。昴とチビ助の二人を救出した。 チビ助は意識が無く病院に運んだ。医師の説明に寄れば[今のところとりあえずではあるが、何とか命の危険からは免れた]らしい。 全てが【とりあえず】ではあるが、事件は終結を向えつつある訳だ。 だが──何かが、スッキリしない。俺の中に何かが、引っ掛かっている。「穂積、今夜ちょっと良いかな?」 狩りからほぼ一日経過した夜、残業をしていると小野瀬がやって来た。 何か話しがありそうな面だ。残業を切り上げ、いつものマスターの店に行く事にした。*詳しくは21。をお読み下さい。*カク秘:最上級極秘事項*狩り:一斉検挙
このサイトの読者登録を行います。 読者登録すると、このユーザーの更新履歴に新しい投稿があったとき、登録したアドレスにメールで通知が送られます。