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チビ助が差し出された受話器に飛び付いた。「昴、昴!? 大丈夫?」 昴と電話が繋がっているのだろう。昴がチビ助を説得してるようだった。「昴……僕が、絶対助けてあげる。だから待ってて。昴は無茶とか、危ない事はしないで? ね? 絶対、助けるから」「なまえ! ダメだ! 良いから今は大人しくしてろ。分かったか? 無茶するな」 途中で、チビ助が受話器が取り上げられた。昴の声が漏れ聞こえる。男がゆっくりと受話器に向かい言う。「良かった。貴方はおバカさんではないようですね。貴方のなまえさんも、もう少し大人しくしてくれると良いのですがね。抵抗してもムダなのですから。お連れした時よりお熱も上がっているようですし、これなら赤子の手を捻るようなもの。現状を自覚していただけると助かるのですがねぇ。まあ、良いでしょう。では一柳さん後程、またお会いしましょう」「ちくしょー! 昴を、昴を返せ! ふざけやがって。絶対、助けるからな」「ふふふ……良いですよ? 言う事をきけないなら、いつものように暴れてごらんなさい。ですが……」 チビ助を見据え、不気味に笑い言った。「貴女が彼を見付けて彼の元に行くのと、私の部下が彼に罰を与えるのと、どちらが早いと思いますか? クフフ……貴女がたどり着くまでに、彼が冷たくなっていないと良いですね。貴女だってもう一度、彼の温もりに触れたいでしょう?」「なっ──」「シィー。良いですか? よく聞きなさい。彼は確かに強い。簡単に捕獲とは行きません。但し、貴女と言う足枷が無ければね。彼は素直でしたよ? よほど、貴女に危害を加えられたく無いのでしょう」 チビ助の顔に戸惑いが浮かぶ。「ですが、この後貴女がおいたをするらしい。それならば、何か手を打たなければなりませんねぇ。そうだ。実験台になって下さる方を、探していたのですよ。これは丁度良い。彼にはある薬で眠っていただきます。もし貴女が彼の居場所を見付けても、その弱った身体で意識の無い大の男を、運び出すのは不可能でしょうからね。あーあ、全く。貴女のせいで彼も大変だ」 ヤツの言葉にチビ助は戸惑いを通り越し、悲痛に顔を歪めた。不安と迷いを目に宿し、判断がつかないと言わんばかりにうろうろと忙しくさ迷わせている。その様子は、痛い所を突かれて完全に相手のペースに飲まれているように見えた。「クフフ。ひとつ教えて差し上げましょう。これから彼に打つ予定の薬ですが、我々で開発中の薬です。開発中ですので、データが要ります。副作用については……何分開発中ですので、未知です。まあ、モルモットでの実験では、眠るだけでしたがね。クフフフ……せいぜい、彼が冷たくならない事を祈っていてあげて下さい」「つ、冷たく? いやだ、やだ! 止めてーっ! 昴にそんな事しないで! お願い、お願いだから。止めて。言う事きく、言う事きくよ! 抵抗しない、大人しくする。だから、だから、お願い。止めて」 怯え泣きそうな顔で必死に哀願し、訴えるチビ助。
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