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「いや、如月。なり得る可能性がひとつだけあるぞ。よく考えてみろ」「なり得る可能性ですか?」「あ、分かった! 明智さんの言う通りや。如月、あるで。いっこだけならな」「ああ、そうか。一柳さん、ですか?」「そうや、チビがターゲットで無く、昴がターゲットならあり得るんや」「そう、一柳さんを誘き寄せるエサ役なら、彼女が一番の適任だ。さっきの閲覧不可、あれ、警視総監を守って彼女が重体になったヤマだよ」「あら? そういえば昴は?」「え? さっきまでそこに……」「でも、居らんかった気ぃもすんで?」「さっき駐車場で別れてから昴くんを見てないな。あれからだいぶ経つ……穂積、これはちょっとマズいかも」「チッ! みんな、急いで昴を探せ」「はい!」 ● ○ ● ○「ボス、ダメです。どこにもいません」「一柳さん、もう庁内にはいないんじゃないんですか?」「そう考えた方がいいかもね」「小笠原さんもそう思いますか?」 小笠原が頷く。「チッ」(やられた!) 後手に後手にと回ってる事を痛感し俺は思わず舌打ちをした。(この状況下で昴が黙って姿を消したという事は──つまり、チビ助絡みで犯人から何らかの接触があったと考えるのが妥当だ。昴は優秀なヤツだ。それがこの選択を選ばざる得ないとしたら、チビ助を盾に脅かされてる場合が一番あり得る。だとするなら、チビ助も昴も犯人の手の内だ。ターゲットが昴だと仮定し、なおかつ、相手が国際テロリストだったとするなら、本当の目的は……やっぱり警視総監か?) そこまで考えが行き着いた時だった。捜査室のドアが開いた。ノックも無く、まるで音を立てないように気を付けたような開き方だった。声を立てそうなヤツらを手で制し黙って視線を向けると開いたドアの向こうに珍しい来客が立っていた。 ヤツは声を出すななとばかりに口元に指を立て、脇からスケッチブックを出しこちらに向けた。マジックでこう書かれていた。──ここは盗聴されている可能性がある。とにかく自然に振る舞え── みんなが頷くとそいつは、俺に向かい手招きをした。頷き、メモに[今からダミーの指示を出すから、了解の返事をして、お前達も部屋から出ろ]と書く。覗き込んだみんなが頷くのを確認し、ダミーの指示を出す。「とりあえず、手分けしてもう少し探してみましょう。小笠原は、小野瀬の所に行って駐車場での様子をもう一度確認して。じゃあ、みんな頼んだわよ」「はい、了解です」 皆が廊下に一旦出る。廊下で待つ男と短く筆談し、小野瀬も呼び出した後で、場所を移した。
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