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「ぷっ! そんな事言って。一柳。あんた、ヤキモチでしょう? やーね。ヤキモチ妬きな男って。なまえちゃん良いの? こんなヤキモチ妬きな男が、亭主で。男なんてね、いっぱいいるわよ? うちの人みたく、いい男もまだいるかも。こんなのポイっとして新しいのにしたら? なまえちゃんなら、直ぐに見付かるわよ? あ、そうだ。穂積先輩なんかどう? 一柳よか、ちょっと歳食ってるけど。その分、大人かも」「てめー何、お奨めしてんだ。バカ女! 返せ」 オレが怒って彼女を引き寄せるのと、ほぼ同時に室長が不服気に口を開く。「ちょっと、凛子。アンタ、それ褒めて無いわね。誰が歳食ってるって? それじゃ私が、年寄りみたいじゃないのよっ。私はまだそんなにジジイじゃあないわよ。失礼ね。だいたいね、私が歳食ってるなら、アンタの亭主の宏明も似たようなもんじゃないのよ!」「えー、穂積先輩とうちの人を、一緒にしないで下さいよー」「凛子ー。アンタ、久々にデコピンでも食らいたいわけ?」「あ、マズいぞ。ボスが暴れる。みんな、ご飯を保守しろっ」 明智さんの言葉にみんなが『わぁー』っと焦りながらひっくり返されないように食べ物をよける。「お父さん! いい加減にしなさい。もしご飯ひっくり返してムダにしたら僕、怒るからね! 食べ物、粗末にしちゃいけません。ご飯の時はお話は良いけど、暴れたらダメ! 消化にも悪いでしょ。後で、お腹痛くなったらどうするの。おとなしくちゃんと食べなさい。分かりましたか?」「あ、はい。ごめんなさい……」 勢いに圧されて室長が、どこか呆気に取られながらおとなしくご飯を食べ始める。「よろしい。ふふ、お父さん。よく噛んで、沢山食べてね」 めっと怒り顔から、一転してふわりと笑い言うと、室長も『おう』とつられたように、照れくさそうな笑顔になった。 また、桐原夫妻が目を丸くしてる。「凛子さん達も遠慮しないで、沢山食べて下さいね。美味しいでしょ? ふふ……」 彼女の笑顔に一瞬ぽかんとして、ハッとした凛子は『は、はいっ!』と学校の先生にでもするような返事をしてご飯をパクついた。 その様子に、オレを含めたいつものメンバーが肩を震わす。 因みに、凛子はこの後『やっぱり彼女、タダ者じゃないわね。ますますファンになったわー』と大騒ぎしてた。相変わらず、賑やかなヤツだ。「やっぱりチビは、すごいよねー」 如月の言葉に小笠原がボソッと言った。「最強だから」 その言葉にみんなが『だな』と頷き、心なしか笑顔になった。『これ、旨い』などと言いながら、みんながまた飯を再開させた。 ヤバいヤマもなく、こんな風に平和なひとときが過ごせる事が、ありがたく感じるそんな昼どきだった──。 ── You belong to me. ──End.
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