ご利用の端末、あるいはブラウザ設定では夢小説機能をご利用になることができません。古いスマートフォン端末や、一部ブラウザのプライベートブラウジング機能をご利用の際は、機能に制限が掛かることがございます。
凛子は酒を口にして、思い出すみたいな目をして言った。「あんた、いっつもどっか渇いた目してたもんね。みんなはそれをクールって言ってたけど。あたしにはつまんなそーに見えたわ。なのに……再会した時さ。一瞬別人かと思う位穏やかな顔してたから、ちょっと驚いたわ。ま、安心したけどねー。……良かったわね、一柳。ふふ。でも、一柳を変えた女か。興味あるわね」「お前ー。あんまりうちの奥さん、いじめんなよ?」「……ねぇ? もしかしてさ、一柳ってヤキモチ妬き?」 凛子に室長が『ああ』と答えた。「こいつは、かなりヤキモチ妬き。独占欲も強いしな」 フッと笑った室長を見て凛子が『へぇー。そう。いい事、聞いたわー』ニマーっと人の悪い笑顔を浮かべた。そこへ彼女が戻った。 凛子はなまえを呼び止めて、自分の横に座らせるとなまえを構い始めた。やけにベタベタする凛子。(……ちょっとおもしろくねー) すると凛子が、ガハガハと豪快な笑い方で笑い出した。隣でなまえが、驚いたように目を屡叩かせた。「何だよ! 相変わらず豪快な笑い方しやがって」「だって一柳、あたしにまでヤキモチ妬いて、おもしろーい! がははは……一柳の弱点発見ー。うっははは……」「うっせー。笑い過ぎだお前は。ところでなまえ、何びっくりしてんだ?」「いや……だって……あの……」 彼女が口ごもる。「素敵で格好良い凛子さんが、こんな風に笑うんでびっくりしたのか?」 室長の言葉にバッとオレ達を見た彼女の顔が、当りだと物語っている。今のは失礼だったとハッと気付き、直ぐに困ったような顔になった。なまえのその素直なリアクションに思わず笑う。室長が隣でやはり笑いながら口を開いた。「凛子は、昔からこんな感じだぞ? 変に好かして気取らない所も、チビ助と一緒だな。あはは。何て顔してんだ」「はっはは。お前は凛子に憧れ、持っちゃったからな。美化し過ぎだ。こいつはこういうヤツなの」 笑い過ぎて出た目尻の涙を、指で拭きながら凛子が言った。「あら、あたしが素敵って憧れてくれたの?」 なまえがはにかみながら、頷く。「凛子とエレベーターで話した後にな、美人で格好良い人がいたって騒いでたんだよ。チビ助は、格好良い女には憧れんだ」「まあ、嬉しいわ! ありがとう! とっても光栄だわ」「ぷっ、ふふ……なら、一緒じゃないか。凛子もその日の夜『穂積先輩と一柳の課にすごく可愛い子がいたの。なまえちゃんていうんだって。男の格好でスーツ着てて……。気になって周りの人に聞いたら、やっぱり女の子だったの。しかも! 前田に聞いたら一柳の奥さんですってよ! あんな可愛い子が一柳のお嫁さんよー? びっくりだわ』って大騒ぎしてたんだ。うちの奥さんは、可愛い子が大好きでね」「あら、可愛い子、良いじゃない。ねぇあなた、なまえちゃんすごく可愛いでしょ。あ、でも浮気はダメよ?」「はいはい」 先輩が笑い言う。この二人は相変わらずラブラブの仲良し夫婦だ。
このサイトの読者登録を行います。 読者登録すると、このユーザーの更新履歴に新しい投稿があったとき、登録したアドレスにメールで通知が送られます。