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(そうなのか……なら、行った事ねー僕は男にも劣るんだなー) 自分のダメさ加減にまた落ち込みそうになりながら、笑顔を作り軽い口調で返す。「いやーよく分かんないです。ちょっと疎くて。あはは……」「あら、そうなの? モテそうな可愛い顔してるのに? じゃあさ、今度行ってみましょうよ。そうだ、穂積先輩も連れて行こ。あ、一柳もね。その方が楽しそう」 凛子さんは本当に楽しそうに『ね?』と笑い掛けて来る。(美人だけど気さくで明るい人だな。スタイルも良いし仕事も出来る……本当、スゴいよなぁ) 飲み始めてから、暫く経ちお酒も進んで来た頃だった。「一柳、前田から聞いたわよー。あんた、女遊びすっかり止めて真面目になったんですってねー」「前田? 会ったのか?」「うん、廊下でばったりね。そんな事より、ねぇ……それならさー。考えてやっても良いわよ?」「あ? 何を?」「やだ、一柳。会わない内にちょっと鈍くなったんじゃない? そんなの決まってるじゃないのよ。付き合ってやっても良いって言ってんの」(えー?! 今何て?)「あ? 何、言ってんだよ。フッ、バカなこといってんじゃねぇぞ」(え? それだけ? えぇー? 何で? 昴はいつもそういうのピッシャと断るじゃん…………もしかして、悪い気してない、とか? いやいやいや……ま、まさか、ね……)「ばかな事じゃないわよ。大真面目。だってあたし唯一、一柳の女癖の悪さが嫌だったのよねぇ。それがおさまったんなら一柳、悪くないもの……あ、一柳、あんた。もしかして照れ隠し? 案外可愛い所、あるのねぇ。うふふ……」 そう言って凛子さんの手が昴にのびる。「あっ! い、いやーっ! 触らないで。昴は、昴は、僕のなのーっ! ダメー!」 とられちゃいそうで焦りながら、抱きつくように凛子さんから彼を遠ざけた。「なまえ?」 頭の上で彼の驚く声がしたけど、今はそれどころじゃない。「ダメだもん。そりゃー。僕、女子力も低いし、凛子さんは素敵だから、僕より昴の隣に並んでも絵になるけど。でも、昴だけは誰にも譲れない。この人は僕のだもん! 昴は僕のだーっ! とらないでー!」 彼にしがみ付きながら混乱する頭で必死で言った。もう、考える余裕も無くいっぱい、いっぱいだった。
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