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● ○ ● ○「こんにちはー。失礼します」 そんな声と共に凛子が捜査室に顔を出したのは、その日の午後だった。「あら、いらっしゃい。やっぱり凛子だったのね。久しぶりね。いつ戻ったの?」「先週末に帰国しました。穂積先輩、お久しぶりです」「なら、帰ったばかりね。どうだった? あっちは」「いやーこっちと違う事も多くて、慣れるまではちょっと大変でしたけど。勉強になりました。あ、一柳。お久しぶり」「よう、久しぶり。相変わらず元気そうだな」「確かに、元気そう」 室長もそう言って三人で笑う。と、凛子が言い出した。「あの穂積先輩、今はヤマ抱えてます?」「今、大きいのは丁度無いわね。何で?」 凛子が飲む真似をして誘う。「久しぶりに付き合ってくれませんか? 明日の夜にでも、どうです? その方がゆっくり話も出来ますし。一柳、あんたも一緒にどう?」「あーオレは──」 言い掛けた時に、凛子が彼女を見つけた。凛子は彼女の所に行って誘った。「あ、いた、いた。君。飲みに行くんだけど、君もどう?」 誘われた彼女の顔が輝く。室長と二人それを見て笑い『じゃあ、行きましょうか』という事になった。『あたし、桐原凛子って言うの。凛子って呼んで』と彼女に自己紹介してる声が聞こえた。彼女は嬉しそうに、にこにこしてた。 ● ○ ● ○ 次の日の定時後。室長はちょっと遅れるそうなので、警視庁のロビーで凛子と待ち合わせて先に三人で行く事にした。凛子を待つ間、隣の彼女を見るとちょっとそわそわした様子だった。「何? 緊張してるのか?」「ん、ちょっと……」「フフッ……初デートにでも行くみてーな顔してんぞ。ずいぶん、凛子を気に入ったんだな。それとも、海外研修に興味があるのか?」「んーどうかな。海外って、イメージが湧かなくて分からない。でも話、沢山聞けたら良いな」「そうか、じゃあ今日はいい機会だな」 そう答えながらふと思う。(触発されて[僕も海外研修、行きたい]って言い出したらどうするかな。凛子みてーに単身で海外……。うーん。それはそれで、悩む所だな。そう考えるとあのひとはスゲーな──) ある人物を思い浮かべた所で『一柳ー!』と呼ばれた。凛子が来たようだ。相変わらずにぎやかな登場に笑いながら『よう、お疲れ』と返し歩み寄った。 ● ○ ● ○ 昴と一階ロビーで待ちながら、僕は少し緊張してた。まさか、早速飲みに行けるなんて思わなくて、声を掛けられた時は嬉しかった。(昴が言うように、沢山話が聞けたら良いよなあ) そんな事を思ってると『一柳ー!』と僕らの後ろから声がした。振り向くと凛子さんが笑顔で手を振ってこちらに来る所だった。昴が笑いながら『お疲れ』と足を向けた。(やっぱり綺麗だし、格好良いな……) 改めてそう思い、僕も付いて行こうとした時だった。『きゃー、きゃー』言う女子達の会話が耳に入って来た。
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