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飯の前に彼女が買って来たホカホカの中華まんをみんなで食べる。『旨っ!』一口食べて思わず口々に声を漏らす。如月が彼女に聞く。「チビ、これさーそこの、いつも行列になってるワゴン車のやつか?」「そうそう、今日居たんだよ。しかもね、僕が通り掛かった時は行列になる前だったの。超ラッキーでしょ」「チビ助、もう無いの? おかわり」 室長は結構なデカさの肉まんをペロリと食べ終わり、彼女が出したチャーシューまんを食べ始めた。「すごい食欲だねぇ。二つも食べてご飯、入んの?」 二つも食べられない彼女は、オレと肉まんとあんまんを半分こして、今は肉まんを食べていた。「あ? 楽勝。問題ないわよ。なぁにチビ助は一個が限界なの? これも旨いわよ。食べないの?」「ん、旨そうだけどぉ、ご飯も食べたいから一個が限界。良いなあ。いっぱい食べられて」 室長の食欲が、ちょっと羨ましそうに言った。室長がそんな彼女を苦笑い気味に笑う。「お前は、食うのが好きなくせに食が細せえもんな。全く難儀なやつだ。ほれ、チビ助。口、開けろ」 そう言って室長はチャーシューまんを一口大にちぎり、彼女の口に入れた。それを本当に旨そうに、モグモグして彼女はほっぺたを押さえた。「うはっー旨ーいぃ。室長、ありがとう」 とろけそうな顔だ。「ん? そんなに旨かったのか?」 にこにこ幸せそうな彼女に、目を細めながら訊ねる。「うん! うまうまー! 豚まんとは、また違う旨さだったよ。肉汁がじゅわーって甘辛いタレと一緒にね、口に広がってぇ──」 彼女の解説に室長がうんうんと頷く横で、如月達がゴクリと喉を鳴らした。「室長ー! 俺にも一口、味見させて下さいよー」「なんや、聞いとたらめっちゃ食べてみたくなったわ。室長、俺にも頼みますわ!」 結局、室長はブツブツと言いながらも皆に一口づつくれた。確かに、彼女の言う通り肉まんとは違う味わいで、三種類ともかなり旨かった。「チビ助、それは?」 食い分がかなり減って物足りない室長が、別にした袋を目敏く見つけた。彼女は『残念でしたー。はい』と小野瀬さんに、それを差し出した。「え? 俺に?」「ブッブーゥ。はっずれー。小野瀬さんは、もう肉まんとあんまん食べたでしょ。それはラボの細野さんと太田さんにお土産だよ」「あ゛? フトシ達に? 要らねえだろう。フトシが、あれ以上デブになったらどうする。俺によこせ。食ってやる!」「だぁーめっ! 室長こそ太るよ。また買って来るから。ね? ワゴンの兄ちゃんに聞いたら横浜のお店の方なら、いつでも買えるって言ってたしさ」「横浜……遠い」 小笠原がボソッと言うのに、彼女はさらりと答える。「ん? そんな事ないよ。上乗ってバイク飛ばせば、すぐだよ。非番の日にでも行って来るよ」「そうやね、高速使こうたら、バイクならすぐやろね。けど、飛ばしたら捕まんで」「なまえ、バイクは良いけど、飛ばすのはダメだぞ。分かった?」 やりそうなので、すかさず釘を差す。「そうよ。非番にスピード違反で捕まるとか、止めてちょうだいよ。ところでチビ助。もう一袋あるじゃないよ」
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