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── You belong to me. ──「たっだいまー!」 寒さで鼻の頭と頬っぺをちょっと赤くした彼女が、元気良く捜査室のドアを開けた。「はい、お帰り。チビ助、ご苦労様。どうだった?」 彼女は、午前中室長のお使いに出ていたのだ。今日も冷えるので、オレが『変わるか?』と聞いたが『大丈夫』と笑ってお使いに出た。手袋もマフラーもちゃんとして行ったが、赤くなってる所を見るとやっぱり寒かったようだ。彼女が室長に報告してる間にココアを淹れに行く。「ほら、温かいの飲め」 渡そうとしたら手を出した彼女が『あっちぃ』と熱がった。温度は猫舌の彼女が飲めるように調整してある。不思議に思い、カップを机に置いて彼女の手を取った。「うわっお前、冷てー。あ? 何でこんな冷たくなってんだ? 手袋してったろ?」 彼女の手は、氷水にでも浸した後のように冷たくなっていた。見ると指も赤くなってる。「うん、手袋してたけどさ……はぁあぁ。昴の手、あったかいなぁ」 もしかしてと頬や耳に触れると頬も耳も冷たい。「お前、どこもかしこも冷たくなってるじゃねーか。ほら、手。あっためてやるよ。ってか、ホットの缶珈琲でも買えば良かったのに。そうすりゃあ、手ぐらいあっためられる」 とりあえず一番冷たい手を、あっためてやる。両手で彼女の手を包み擦った。「えへへ。あったかい、ありがと。だってさ早くしないと、お昼になっちゃうもん。お土産買ったし間に合わせようと思って。せっかく出来立てのホカホカ買ったしね」「は? じゃあ、それで暖取れば良かったじゃねーか」「ダメだよ。そんな事したら僕の低体温で、せっかくのホッカホカが冷めちゃうだろー。今日は冷えるからな。みんなで、ホカホカ食べんの」「それで熱が出たらどうすんだよ。あっ違うぞ。勘違いすんなよ。熱が迷惑ってワケじゃねーからな? 看病くらい幾らでもしてやるよ。でもお前が苦しいだろ。オレはそれを言ってんだぞ? ……はぁー。らしいけどな。ったく、しょーがねーなー」 冷たい手をあたためていると、室長が来た。「何? チビ助、冷え冷え? 表、寒かったか……」 言いながら頬に触れた。「あっらー! アンタ、本当に冷え切ってるじゃない! そんなにとは思わなくて。悪かったわ。藤守にでも頼めば良かった」 そう言って頬っぺを擦り始めた。藤守が寄って来て言った。「あーそうですね。表、かなりの冷え込みでしたわ。この冬一番の寒さちゃいますか。チビが出たのと、俺が帰ったの、ほぼ入れ違いだったらしいで。ほんまちょっとの差やて。もう少し早ければ、俺が代わりに行ったんやけどなあ」 彼女が『ふふ……』と笑い出した。「やだなーみんな。有り難いけどさ、ふっ、あのね。そこらのお嬢さまじゃないんだよ。僕、刑事。刑事なんて表行くの日常茶飯事じゃないか。大丈夫だよ? でも、気遣いは嬉しい。ありがとう」
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