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君だけ

マステゴ ~君だけ~


▽side



手越が帰ってこない家になった




華のない家になった



毎日笑って、喧嘩して、仲直りして



そんな家じゃなくなった





ただの箱のように冷たく殺風景な部屋だ






君がいた時はあそこの電球がオレンジ色に照っていた







だがもう帰ってこない





華やかな部屋はもう






一緒に買ったこのペアリングも


今やただのアクセサリーにすぎない





2人ではめあって



手越なんて間違えて薬指にはめて「へへ、結婚だ」なんてニコッと笑って





わざとだったんだろうなぁ







別れて2週間

失恋の傷は癒えやしない







ドスッとソファーに腰をかけ、ぼーっと外を眺めていた








君からのメッセージが来るまでは




♡ 『返して欲しいものがあるから家行ってもいい?』









返して欲しいもの?


ペアリングか、歯ブラシか、俺の家に常備してある服か
















どっちにしろ元カノには興味無い





















♡ 「返して」





▽ 「何を…?」




ずいっと手を差し出す手越









少しイラついている模様

















手越は俺の肩を突き飛ばして
俺は玄関のところで尻もちをついた


▽ 「いったぁ…」





♡ 「返せよ、まっすーの心」










ふと見上げた手越の目には涙が溜まっていた






♡ 「もう俺のものじゃない?まっすーは」






馬乗りになって俺の胸ぐらを掴んで揺らす




♡ 「ずっと一緒だったじゃん…………」














「まっすーの心は俺のモノだから、俺の心はまっすーが持ってて」





思い出した




君はそう言っていた








手越の心なんて昔も今も変わらず持っているのに







▽ 「俺に心はないよ」




♡ 「なんで……やっぱり俺の事…」


▽ 「だって手越が持ってるんでしょ?俺の心」










溢れる涙を拭き取りキスをした








▽ 「俺の心はずっと手越が持ってるよ」



♡ 「俺の心は…?」







手越の心は俺の中にない






▽ 「手越の心を返して」




























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俺のベッドに手越がいる




ただの箱だった、ダンボールのような寝床だった






そんなベッドに手越がいる








手越の唇にそっと触れる

キスをして、服をぬがして



白い肌は相変わらずで



触れるとピクっと反応するのも




♡ 「んッ…ぅ、まっすー…」







可愛い声だって









♡ 「やっ、あッ!まっすー…ッん、ぁあッ!」


手越は呆気なく果て、俺の手には手越の白い液



▽ 「溜まってた?濃いね」







♡ 「1人で…やるとか虚しいだけだろ…」























「まっすー以外の手でイきたくない、例えその手が自分の手でも」



















▽ 「バカ…」




もう止まれそうにないよ
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