神様、自分、迷い犬の世界なんて求めてませんっ!
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軽い足取りで前を歩くクソ包帯に、私は鋭い視線を送る。この目線が物理的に尖り、このクソヤローをブッコロできたら幸せなのだが、そうなるとメインキャラと関わるという計画がおじゃんになってしまう。
震える拳を握りしめ、私はダサ包帯に声をかける。
「マジですか?」
「なにがー?」
間延びした声。ますます腹が立つが、耐える。
「虎探しのことです!!私を拾ってくれたことには感謝しますけど、その対価が重すぎます!遠回しに『虎捕まえるために囮 になってくれ』って言ってるようなもんじゃないですか!控えめに言ってクズですよ!」
「全然控えめじゃないねー」
「正直に言うならクソウザう○こメンタル野郎ですけど?」
「あ、ちゃんと控えめだった」
こちらは割と本気で言っているのだが、この男にすれば私の言葉は、悪口というより軽口なのかもしれない。ああ、本当に腹立たしい。
「君は自分が囮にされると思っているようだけど、そんなつもりは全くないよ。『捕まえる』のを手伝うというより、『見つける』のを手伝う、と言ったほうが良かったかな?」
「ええ勿論」
辛辣だなぁとこぼしながらスタスタと歩を進めていく包帯男の後ろで、私はふとあることに気づいた。
……これ、もしかして、一話目なんじゃね??
旭姫に聞いた話では、文ストは敦くんが虎となり太宰さんにバレるところから始まる、らしい。その敦くんとやらの顔はよく覚えていないが、旭姫に否応なく見せつけられていたので、この世界で出会えばすぐ分かるだろう。と、いうことは、私は虎の正体を知っているのだから、彼に出会い、このクソ包帯マンにそれとなく報告すれば、虎捕獲はほぼ私の手柄となり、たんてーしゃとやらに入れちゃうのでは!?
わっはっは、我ながら天才だなぁ!よぉし、そうと決まりゃあ何の心配もない!お虎っち(たま○っち?)が現れるまで気長に待つとするか!
「あ、ねえねえ、私君のことなんて呼んだら良い?文子チャン、ダイジョウブ?♡みたいな感じ?」
「きっしょ。いいわけないでしょーが。フツーに文子って呼び捨てで良いですよ」
ん、待て、このクソ包帯様って女子に結構人気あるって旭姫が言ってたよーな……。となるとそんなお方に呼び捨てされる私って相当憎っくき存在なのでは!?
などと一瞬惑ったものの、まあ別にそのファンの方々がこの世界のこと知ってるわけじゃあるまいし、大丈夫だろうと判断した。
「ふーん。じゃ、お言葉に甘えて呼び捨てするね、文子〜。」
「伸ばし棒があるのがウザいです」
なぜだか、この時から私は、以前までの怒りやら何やらが去り、「悪口」ではなく「軽口」を叩くようになっていた。虎問題について己の中で解決したからかもしれない。たったそれだけで、ここから先は安泰だと思った。
しかし私はすっかり忘れていた。旭姫から伝授(?)したこの世界の設定や展開の数々を。いや、その時がくれば自然と思い出すことにはなるのだが、事前に思い出せなかったがゆえに、私は油断し、そして忘れきっていた。
この世界の物語 の展開が、恐ろしい方向に進んでいくことを……!
震える拳を握りしめ、私はダサ包帯に声をかける。
「マジですか?」
「なにがー?」
間延びした声。ますます腹が立つが、耐える。
「虎探しのことです!!私を拾ってくれたことには感謝しますけど、その対価が重すぎます!遠回しに『虎捕まえるために
「全然控えめじゃないねー」
「正直に言うならクソウザう○こメンタル野郎ですけど?」
「あ、ちゃんと控えめだった」
こちらは割と本気で言っているのだが、この男にすれば私の言葉は、悪口というより軽口なのかもしれない。ああ、本当に腹立たしい。
「君は自分が囮にされると思っているようだけど、そんなつもりは全くないよ。『捕まえる』のを手伝うというより、『見つける』のを手伝う、と言ったほうが良かったかな?」
「ええ勿論」
辛辣だなぁとこぼしながらスタスタと歩を進めていく包帯男の後ろで、私はふとあることに気づいた。
……これ、もしかして、一話目なんじゃね??
旭姫に聞いた話では、文ストは敦くんが虎となり太宰さんにバレるところから始まる、らしい。その敦くんとやらの顔はよく覚えていないが、旭姫に否応なく見せつけられていたので、この世界で出会えばすぐ分かるだろう。と、いうことは、私は虎の正体を知っているのだから、彼に出会い、このクソ包帯マンにそれとなく報告すれば、虎捕獲はほぼ私の手柄となり、たんてーしゃとやらに入れちゃうのでは!?
わっはっは、我ながら天才だなぁ!よぉし、そうと決まりゃあ何の心配もない!お虎っち(たま○っち?)が現れるまで気長に待つとするか!
「あ、ねえねえ、私君のことなんて呼んだら良い?文子チャン、ダイジョウブ?♡みたいな感じ?」
「きっしょ。いいわけないでしょーが。フツーに文子って呼び捨てで良いですよ」
ん、待て、このクソ包帯様って女子に結構人気あるって旭姫が言ってたよーな……。となるとそんなお方に呼び捨てされる私って相当憎っくき存在なのでは!?
などと一瞬惑ったものの、まあ別にそのファンの方々がこの世界のこと知ってるわけじゃあるまいし、大丈夫だろうと判断した。
「ふーん。じゃ、お言葉に甘えて呼び捨てするね、文子〜。」
「伸ばし棒があるのがウザいです」
なぜだか、この時から私は、以前までの怒りやら何やらが去り、「悪口」ではなく「軽口」を叩くようになっていた。虎問題について己の中で解決したからかもしれない。たったそれだけで、ここから先は安泰だと思った。
しかし私はすっかり忘れていた。旭姫から伝授(?)したこの世界の設定や展開の数々を。いや、その時がくれば自然と思い出すことにはなるのだが、事前に思い出せなかったがゆえに、私は油断し、そして忘れきっていた。