一年生と仲良くなりたいの段
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「文次郎先輩には、ああ言ってしまったが。……俺が一年生の教室を訪れて、彼らを驚かせたりしないだろうか」
先ほどまでの凛とした姿が嘘のように、五年い組に戻った早雲は弱気だった。
先輩には失望されたくなくて、己を鼓舞していたところがある。
(去年は新入生が委員会にやって来なくて、迷惑をかけたのに。一年生が入っても迷惑をかけるのか、なんて思われたくない)
尊敬する人物の前では情けないところを見せたくない。
今更、という気もするが、それはそれ。これはこれ。
しかし入学してからずっと共に歩んできた友人の前では、本音が出てしまうもの。
表向きは仏頂面だが、ひどく思い詰めている早雲を見て、勘右衛門はにやっと笑う。
「よくわかってるじゃん早雲」
「…………」
「こら、早雲が萎んでるぞ」
「ヘー、スケ……」
血の気が引いて真っ青な顔の早雲が流石に気の毒だったのか、兵助のフォローが入った。
「おいおい。俺が友達のために何もしないと思ったのか? 傷つくなぁ」
「そ、それは悪い。しかし日頃の行いという言葉もある」
「うん、割と本気で傷ついた」
意外と鋭い早雲の反論が、勘右衛門の胸にぐさりと突き刺さる。
一方は真顔、もう一方は笑顔。
それぞれ違う表情を浮かべながら心の中で涙を流す、ある意味器用な二人である。
おかしな状況を打破してくれたのは、コミュニケーションの面でも優等生の兵助だ。
「二人揃って落ち込むなよ。で、勘右衛門は何をしてくれるんだ?」
早雲と勘右衛門を励ましつつ、話題が変わる前の発言をもう一度口に出す。
兵助の鮮やかな話術で二人は正気を取り戻した。
「一年は組の庄左ヱ門にちょうど用があってさ。早雲、ついてってやるよ」
「勘右衛門……今度、団子を奢る」
「まいどあり~」
「それでいいのか、早雲……」
「気が晴れた。……む、今日はなんだか落ち着かないと思ったが、部屋に算盤を忘れていた。取ってくる」
そう言い、早雲は姿を消す。
まるで嵐が去ったかのように教室は静まり返る。
やれやれと喋り始めたのは兵助だ。
「こういう面をみんなが知っていれば早雲は怖がられないのにな」
「な。でも、みんなに知られるのは癪なんだよな~」
「まあ、言いたいことはわかるけど」
本人が聞いたら固まりそうな会話をさらっと交わす。
君の良さを色々な人が知ればいいのに。
でも、広まりすぎるのは複雑。
これは五年生の誰もが抱く、ちょっとした独占欲である。
先ほどまでの凛とした姿が嘘のように、五年い組に戻った早雲は弱気だった。
先輩には失望されたくなくて、己を鼓舞していたところがある。
(去年は新入生が委員会にやって来なくて、迷惑をかけたのに。一年生が入っても迷惑をかけるのか、なんて思われたくない)
尊敬する人物の前では情けないところを見せたくない。
今更、という気もするが、それはそれ。これはこれ。
しかし入学してからずっと共に歩んできた友人の前では、本音が出てしまうもの。
表向きは仏頂面だが、ひどく思い詰めている早雲を見て、勘右衛門はにやっと笑う。
「よくわかってるじゃん早雲」
「…………」
「こら、早雲が萎んでるぞ」
「ヘー、スケ……」
血の気が引いて真っ青な顔の早雲が流石に気の毒だったのか、兵助のフォローが入った。
「おいおい。俺が友達のために何もしないと思ったのか? 傷つくなぁ」
「そ、それは悪い。しかし日頃の行いという言葉もある」
「うん、割と本気で傷ついた」
意外と鋭い早雲の反論が、勘右衛門の胸にぐさりと突き刺さる。
一方は真顔、もう一方は笑顔。
それぞれ違う表情を浮かべながら心の中で涙を流す、ある意味器用な二人である。
おかしな状況を打破してくれたのは、コミュニケーションの面でも優等生の兵助だ。
「二人揃って落ち込むなよ。で、勘右衛門は何をしてくれるんだ?」
早雲と勘右衛門を励ましつつ、話題が変わる前の発言をもう一度口に出す。
兵助の鮮やかな話術で二人は正気を取り戻した。
「一年は組の庄左ヱ門にちょうど用があってさ。早雲、ついてってやるよ」
「勘右衛門……今度、団子を奢る」
「まいどあり~」
「それでいいのか、早雲……」
「気が晴れた。……む、今日はなんだか落ち着かないと思ったが、部屋に算盤を忘れていた。取ってくる」
そう言い、早雲は姿を消す。
まるで嵐が去ったかのように教室は静まり返る。
やれやれと喋り始めたのは兵助だ。
「こういう面をみんなが知っていれば早雲は怖がられないのにな」
「な。でも、みんなに知られるのは癪なんだよな~」
「まあ、言いたいことはわかるけど」
本人が聞いたら固まりそうな会話をさらっと交わす。
君の良さを色々な人が知ればいいのに。
でも、広まりすぎるのは複雑。
これは五年生の誰もが抱く、ちょっとした独占欲である。