一年生と仲良くなりたいの段
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「文次郎先輩。これは、俺にやらせてください」
会計委員会で使用する教室にて、早雲は委員長である潮江文次郎に宣言した。
ぴんと張り詰めた空気が二人の間に広がる。
早雲が真剣な目で見つめる先には、一冊の帳簿が置いてある。
そう、これは命のやり取りでも何でもなく——ただの頼み事だ。
「俺がやらなければならないのです」
きゅっと眉を寄せ、己の使命であると言わんばかりの早雲だが、示しているのはただの帳簿である。
(こいつは、時々ものすごく阿呆になるな)
早雲はギンギンに忍者をしている文次郎に食らいつき、何でも真面目に取り組む良い後輩だ。
10キロ算盤に感激し、日々の鍛錬を怠らない努力家……だが、たまにネジが外れる。
このことがなければ、立花仙蔵に次いでクールな性格の人物だと挙げられるのだろうが。
早雲を知っている人間からすれば、クールなのは顔だけだ。
(付き合いが長くなればこいつの表情はわかりやすいが)
もっと誰にもわかりやすく笑うようになれば、黄色い声を浴びるだろうな……と文次郎が思う間にも、早雲の深刻な表情は続く。
先輩の沈黙を、自分の説明不足だと思った早雲は急いで口を開いた。
「以前、心を乱してしまいました。その原因を直ぐに取り除きたい。ですから、一年生宛の帳簿を届ける役目は俺にお任せを。三木ヱ門には許可を得ています」
「そうか。なら、頼む」
「はい。ありがとうございます」
文次郎は早雲のことを信頼している。
別に詳しい説明がなくても、こいつなら変に扱うことはないだろうと帳簿を託していた。
それなのに、わざわざ律儀に全てを明かすところが早雲の性格を表していた。
「それでは、失礼します」
帳簿を持ち、どこか満足げな背中が遠ざかっていく。
「まったく……手が焼ける後輩だ」
そうこぼした文次郎だが、その表情は柔らかかった。
会計委員会で使用する教室にて、早雲は委員長である潮江文次郎に宣言した。
ぴんと張り詰めた空気が二人の間に広がる。
早雲が真剣な目で見つめる先には、一冊の帳簿が置いてある。
そう、これは命のやり取りでも何でもなく——ただの頼み事だ。
「俺がやらなければならないのです」
きゅっと眉を寄せ、己の使命であると言わんばかりの早雲だが、示しているのはただの帳簿である。
(こいつは、時々ものすごく阿呆になるな)
早雲はギンギンに忍者をしている文次郎に食らいつき、何でも真面目に取り組む良い後輩だ。
10キロ算盤に感激し、日々の鍛錬を怠らない努力家……だが、たまにネジが外れる。
このことがなければ、立花仙蔵に次いでクールな性格の人物だと挙げられるのだろうが。
早雲を知っている人間からすれば、クールなのは顔だけだ。
(付き合いが長くなればこいつの表情はわかりやすいが)
もっと誰にもわかりやすく笑うようになれば、黄色い声を浴びるだろうな……と文次郎が思う間にも、早雲の深刻な表情は続く。
先輩の沈黙を、自分の説明不足だと思った早雲は急いで口を開いた。
「以前、心を乱してしまいました。その原因を直ぐに取り除きたい。ですから、一年生宛の帳簿を届ける役目は俺にお任せを。三木ヱ門には許可を得ています」
「そうか。なら、頼む」
「はい。ありがとうございます」
文次郎は早雲のことを信頼している。
別に詳しい説明がなくても、こいつなら変に扱うことはないだろうと帳簿を託していた。
それなのに、わざわざ律儀に全てを明かすところが早雲の性格を表していた。
「それでは、失礼します」
帳簿を持ち、どこか満足げな背中が遠ざかっていく。
「まったく……手が焼ける後輩だ」
そうこぼした文次郎だが、その表情は柔らかかった。