なんか色々雑多

どっかの土手


悟空とナタは夕日を眺めながら他愛ない話をしていた。
その話の中でナタが切り出す。

「ねぇ、悟空。僕このままじゃいけないと思うんだ」
「あ?急にどーした?」
「もっと強くなりたいんだ。今のままじゃきっといつか誰かに負ける。だからどうしたらいいかな?」
「誰かに聞くってのはどーだ?沢山の奴らに意見聞いてそれを取り入れるんだよ」
「判った、やってみる」

そんな訳で翌日、ナタは孫呉大学の『動物観察サークル』の部室に訪れた。

「いやちょっと待って。なんでここ?」

すかさず半兵衛がツッコミを入れる。
ちなみに、現在部室には半兵衛・太公望・孫尚香・甲斐・鮑三娘の五人がいる。

「暇そうな人たちを見つけた結果だもん」
「暇だってのは否定出来ないけど、でもなんかイラッてくるんだけど」
「そんな事より僕はどうしたらいい?」
「どうすればいいって言われてもねぇ・・・」

半兵衛は太公望の方を見る。
視線を受けた太公望はナタに率直に尋ねた。

「お前はどうしたいんだ?」
「だから強くなりたいんだってば」
「物理的にか?」
「当たり前じゃん」
「ならばこれまで以上に鍛錬をするか、お前の場合は改造をする必要があるな」

ご存知、ナタは機械人間である。
改造と聞いてナタは手をポンっと叩いた。

「そっか。その手があったね。でも、どう改造したらいいんだろう?」
「はい!レーザービームを付ける!」

甲斐が早速挙手して意見を言う。

「レーザービーム?」
「そうよ。レーザービームはロマンよ」
「判るわ甲斐!レーザービームは必要不可欠よね!それからロケットパンチとかも」

孫尚香が甲斐に賛同する。

「もしかして甲斐ちゃんと尚香ちゃんって特撮系好きなの?」
「まぁね」
「私は兄様たちと小さい時によく一緒に見てたから」
「あ、そうだ。半兵衛、メモしといてよ」
「は~い」

半兵衛は猫の形をしたメモを取り出してレーザービームと書いた。
次に鮑三娘が提案をする。

「口からファイア出すのも忘れちゃだめじゃん」
「確かに。それと変形も欠かせないわね」
「口からファイアと変形っと・・・。太公望先輩はなんかある?」
「そうだな・・・レーダーも必要だと思うが」
「レーダーっと。あ、体と一体型の飛び道具とかどうかな?なんたらカッター!とか」
「あ、いい感じじゃん!それも付けよう!」

そんな訳でカッターも追加される事となった。








あれから大分時間が経ったが、もはやテンションは会議のやり過ぎテンションになっていた。
ちなみに、ナタは節電モードに入っている。

「あれよ、ロボと合体出来るようにした方がいいわよ!」
「それで合体ロボを呼ぶ時は犬笛を吹くのよ!」
「ロボ用の武器も作ろう!」

あれやこれやと女子三人が提案をしてくる。
半兵衛は細目にも全部メモに書き取っていく。
ちなみに、現在メモは四枚目に突入している。

「あーあ、会議のし過ぎテンションになってきちゃったね」
「なるとは思っていたがな」
「どーする?」
「全部書き取ってナタに渡すぞ。後の事はナタが決めればいい」
「は~い、りょーかい」

そんな訳で半兵衛は書き取りを続行した。


















その後、節電モードを解除したナタはメモを受け取り、蜀大学の月英の元を訪れた。
月英は少し戸惑いながらもナタに尋ねる。

「・・・私に頼まなくても素戔嗚さんに頼めば良いのでは?」
「だって素戔嗚は今忙しいんだもん。それに月英は発明大好きなんでしょ?」
「そうですけど・・・まぁいいでしょう」
「このメモに書いてあるもの全部実行してくれる?」
「これは・・・!時間はかかりますが宜しいですか?」
「うん、強くなる為なら別にいいよ」

そんな訳で大改造・ビフ○オアフターが始まった。















そして・・・


海岸で悟空とナタは大勢の暴走族と対峙していた。

「ひゅー!腕がなるぜー!」
「僕もだよ。改造してもらったからね」
「んじゃ、その成果を見せてくれよ」
「いいよ」

ナタは暴走族の総長の前に立って構えた。

「ああん!?やんのかゴラァッ!」

「眼からレーザービーム!!」

ナタの目から放たれたレーザービームが総長に的中する。

「おおっ!すげーじゃねーかナタ!」
「まだまだこれからだよ。―――ロケットパンチ!!」

今度は下っ端の暴走族たちにロケットパンチが当たる。
勿論これだけでは終わらない。

「口からファイア!」

「ぎゃぁあああああああああああ!!!」

「行くよ―――もみあげカッター!!」
「も、もみあげ!?」
「それから変形・タイヤ!」
「タイヤ!?」

ナタは大きなタイヤに変形して暴走族たちをどんどん跳ね飛ばしていった。
この時点で悟空は笑えなくなっていたりする。

あらかた跳ね飛ばし所でナタは元の姿に戻り、静かに集中し始めた。








「な、ナタ?どーした?」
「大量の暴走族が援軍に来てるみたい。レーダーが反応してるんだ」
「れ、レーダー?それより援軍?どんだけ勢力いるんだよ」
「でも、これだけいれば合体ロボの実験にはちょうどいいよ」
「は?合体ロボ?」

ナタは徐に犬笛を吹いた。
すると、遠くの彼方から六つの機械の塊が飛んできた。
その機械の塊は首・胴体・手・足の形をしており、飛んできながら合体をして一つのロボとなった。
そしてロボの胴体の表面が開き、大の字の窪みが現れる。
ナタは颯爽と飛び上がって大の字の窪みに自ら嵌った。

「な、ナタぁ!?」
「ここからが本番だよ」

胴体の表面は閉まり、ナタは消えた。
その代わりとしてロボの目が光り、カッコいいポーズを取る。

「合体!NATA36!!」

「ナタぁああ!?」

「くらえ、火炎放射!」

ナタは重火器を構え、火炎放射を放つ。
そしてそれだけに留まらず多くの技を繰り出したりなど大暴れをした。
もはや地獄絵図である。

「これで終わりだよ。―――天下無双キャノン!!!!」

ドォオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオ!!!!!!!!!(青白い光が放たれる)

「ナタぁああああああああああああああああああああああああああ!!!!!!!!」















暴走族を一掃し、ロボから離れたナタが悟空に尋ねる。

「どう?悟空。強かったよね?」
「・・・つえーよ。もうお前が最強でいいよ」

これ以上ナタが進化しない事を祈る悟空だった。









END
8/9ページ
スキ