長編

何かに呼ばれた気がして目を開いた。
目の前には上品な雰囲気が漂う、青で統一されたリムジンの部屋があった。
部屋の奥にはソファがあり、ソファには鼻の長い老人と美しい女性が座っており、こちらに視線を向けている。
忘れもしない、ここはベルベットルームだ。

「ようこそ、我がベルベットルームへ。またお会いしましたな」

老人―――イゴールは嬉しそうに悠に語りかける。
悠も優しく笑って言葉を返す。

「ええ、そうですね。でも、こうしてまたここに呼ばれたって事は―――」

「相変わらず察しが良いですな、ならば話は早い。
 今宵あなたをお呼び立てしたのは他でもない、これからあなたに降りかかる災いについてです。
 近い内にあなたはまたもや大きな災難に巻き込まれ、仲間と共に戦いに身を投じる事でしょう。
 そのお手伝いを再び我々がさせていただく、という事です」
「今までどおり、ペルソナの召喚や合体などのサポートをさせていただく事となります」

イゴールの後に女性―――マーガレットが補足するように続ける。
しかし、今度はまた一体とんな事件が起きるというのか。
悠は内心苦笑しながらも、やがて降りかかるという災難に対して覚悟を決める。
たとえどんな災難が降りかかろうとも仲間と共に振り払って自分たちの日常を守るだけだ。
悠は強い眼差しでイゴールたちに頷いてみせた。

「分かりました、宜しくお願いします」

「フフフ、相変わらず良い目をなさる。それではまた、その時にお会いするまで、御機嫌よう」








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