『おうちの中で』
カーテンの隙間から差し込む眩しい日差しがヴィンセントの瞼の上に舞い降り、目を覚まさせる。
強烈ではないけれど眩しい事に変わりないそれに、今度はしっかりカーテンを閉じておこうと思いながらヴィンセントは腕をかざして瞼の上に日陰を作る。
「・・・朝か」
今日は特別な朝。
ユフィと迎えるユフィとの“初めての”朝。
お互いの想いを通わせ、そうして一つとなって溶け合った昨日の夜。
胸を満たす幸福感は今でも続いており、ヴィンセントの心を柔らかく温める。
「ユフィ・・・」
ヴィンセントは己の腕の中で眠る幸福の源―――ユフィを愛おしそうに眺めながら優しく髪を梳いた。
昨晩初めてヴィンセントに見せた“女の顔”は鳴りを潜め、子供のような無邪気な表情がヴィンセントの眼前に晒されている。
頬は淡いピンクに色づき、唇は赤く熟れていてまるで食べごろの林檎のようだ。
薄っすらと焼けている肌は鎖骨より下までいくと、焼けていない白い肌との違いがハッキリと分かる。
そういえば白い首筋にシルシを付けたがこちらの方にはまだ付けていなかった。
「愛している」
ポツリと呟き、真っ白な雪を踏みしめる時のような気持ちでユフィの胸にそっと唇を寄せてキツく吸い上げる。
真っ赤に咲いた華に一人満足し、欲張ってもう一つ付けようかと思った矢先にユフィの呻き声がヴィンセントの耳に届いた。
「ぅん・・・ヴィン、セント・・・?」
「おはよう、ユフィ」
「おは、よ・・・!?」
現在の状況、昨夜の事を思い出したのかユフィは顔を真っ赤に染め上げると慌てて体ごとヴィンセントから顔を背けた。
「あぁ、あぁああああえぇえっ!!?!」
「落ち着け、ユフィ」
「おぉおおおお落ち着けないよ!だってこんな・・・!!」
シーツを引き寄せようとするがヴィンセントの体の上にあってそれは叶わない。
逃げようと試みるもヴィンセントの腕が顔の両側に着かれていて、逃げ場がない事を暗に語る。
両腕で胸を隠し、涙目で見上げてくるユフィのそれはもはや凶器だった。
唸り声を上げる内なる獣を諌めながら林檎のようなユフィの唇にキスを一つ落とす。
深くなりすぎないように優しく何度も・・・何度も・・・。
「・・・ん・・・」」
「まだ落ち着かないか?」
「す、少しだけ・・・」
困ったように視線を彷徨わせるユフィに意地悪をしようと思い、またキスをした。
今度は先程よりも長く。
否が応でも合わさる視線にユフィの瞳は段々熱と潤いで満たされていった。
これは流石に苛め過ぎただろうかと小さく反省したヴィンセントは唇を離し、代わりにお互いの額をコツンと合わせた。
「体は痛むか?」
「ん・・・少しだけ。あとちょっとしんどい」
「そうか・・・無理をさせた」
「ううん、そんな事ないよ。しんどいけどなんか気持ち良いし。思いっきり体を動かした後の充足感?満足感?って感じ」
「事実、思いっきり体を動かしたからな」
「へ、変態!!!」
「その変態と体を動かしたお前はどうなる?」
「へ、屁理屈こねんな!!」
顔を真っ赤にして怒るユフィが可愛くておかしい。
ユフィの顔の横に突っ伏して思わず吹き出した。
「くっ、くくく・・・!」
「な、何がおかしいんだよ!?」
「いや、なんでもない。シャワーを浴びてくるがお前もどうだ?」
「い、いい!ああ後で入る!」
「それは残念だ」
トドメに頬に一つキスを落としてからユフィを解放してベッドから降りた。
降りる際に見たユフィの恥ずかしそうな悔しそうな表情がしばらく忘れられなくて一人笑った。
END
強烈ではないけれど眩しい事に変わりないそれに、今度はしっかりカーテンを閉じておこうと思いながらヴィンセントは腕をかざして瞼の上に日陰を作る。
「・・・朝か」
今日は特別な朝。
ユフィと迎えるユフィとの“初めての”朝。
お互いの想いを通わせ、そうして一つとなって溶け合った昨日の夜。
胸を満たす幸福感は今でも続いており、ヴィンセントの心を柔らかく温める。
「ユフィ・・・」
ヴィンセントは己の腕の中で眠る幸福の源―――ユフィを愛おしそうに眺めながら優しく髪を梳いた。
昨晩初めてヴィンセントに見せた“女の顔”は鳴りを潜め、子供のような無邪気な表情がヴィンセントの眼前に晒されている。
頬は淡いピンクに色づき、唇は赤く熟れていてまるで食べごろの林檎のようだ。
薄っすらと焼けている肌は鎖骨より下までいくと、焼けていない白い肌との違いがハッキリと分かる。
そういえば白い首筋にシルシを付けたがこちらの方にはまだ付けていなかった。
「愛している」
ポツリと呟き、真っ白な雪を踏みしめる時のような気持ちでユフィの胸にそっと唇を寄せてキツく吸い上げる。
真っ赤に咲いた華に一人満足し、欲張ってもう一つ付けようかと思った矢先にユフィの呻き声がヴィンセントの耳に届いた。
「ぅん・・・ヴィン、セント・・・?」
「おはよう、ユフィ」
「おは、よ・・・!?」
現在の状況、昨夜の事を思い出したのかユフィは顔を真っ赤に染め上げると慌てて体ごとヴィンセントから顔を背けた。
「あぁ、あぁああああえぇえっ!!?!」
「落ち着け、ユフィ」
「おぉおおおお落ち着けないよ!だってこんな・・・!!」
シーツを引き寄せようとするがヴィンセントの体の上にあってそれは叶わない。
逃げようと試みるもヴィンセントの腕が顔の両側に着かれていて、逃げ場がない事を暗に語る。
両腕で胸を隠し、涙目で見上げてくるユフィのそれはもはや凶器だった。
唸り声を上げる内なる獣を諌めながら林檎のようなユフィの唇にキスを一つ落とす。
深くなりすぎないように優しく何度も・・・何度も・・・。
「・・・ん・・・」」
「まだ落ち着かないか?」
「す、少しだけ・・・」
困ったように視線を彷徨わせるユフィに意地悪をしようと思い、またキスをした。
今度は先程よりも長く。
否が応でも合わさる視線にユフィの瞳は段々熱と潤いで満たされていった。
これは流石に苛め過ぎただろうかと小さく反省したヴィンセントは唇を離し、代わりにお互いの額をコツンと合わせた。
「体は痛むか?」
「ん・・・少しだけ。あとちょっとしんどい」
「そうか・・・無理をさせた」
「ううん、そんな事ないよ。しんどいけどなんか気持ち良いし。思いっきり体を動かした後の充足感?満足感?って感じ」
「事実、思いっきり体を動かしたからな」
「へ、変態!!!」
「その変態と体を動かしたお前はどうなる?」
「へ、屁理屈こねんな!!」
顔を真っ赤にして怒るユフィが可愛くておかしい。
ユフィの顔の横に突っ伏して思わず吹き出した。
「くっ、くくく・・・!」
「な、何がおかしいんだよ!?」
「いや、なんでもない。シャワーを浴びてくるがお前もどうだ?」
「い、いい!ああ後で入る!」
「それは残念だ」
トドメに頬に一つキスを落としてからユフィを解放してベッドから降りた。
降りる際に見たユフィの恥ずかしそうな悔しそうな表情がしばらく忘れられなくて一人笑った。
END