ヒナコレ

「俺は吸血鬼ありもしないお前の過去の肖像画や写真を生み出す!」

「「また変なの出たー!!」」
「ヌオー!」
「赤の他人のありもしない過去の肖像画や写真作って何の意味があるんだよ!!」

「知るか!俺が聞きたいわ!!」

「つーかそんなもん誰かに使おうとするな!やられた方は反応に困るだろ!」

「黙れ!好きな子の前で突然能力が発現して好きな子の肖像画や写真を量産して嫌われた俺の身にもなれ!!」

「そ、それはやるせねぇ!!」
「だがそれでヤケを起こしてこんな通り魔的犯行に及ぶ時点で人として終わっとるから嫌われるのも時間の問題だっただろ」
「ヌンヌン」

「煩い!とりあえず都合良くそこにいた吸対の女にこの能力を行使してやる!」

「ちん!?」

「しまった!ヒナイチ!!」
「ヒナイチくん!!」
「ヌー!」



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「な、何だこれは!?」
「吸血鬼ありもしないお前の過去の肖像画や写真を生み出すの能力だよ」
「アレがアイツの妄想したお前のありもしない過去の肖像画や写真らしい」
「何だそれは!?また訳の分からない吸血鬼が現れたな!!」
「しかしなんだ、どっかの貴族の令嬢の肖像画みたいな感じだな」
「父親が娘を溺愛してて有名画家に描かせた傑作っぽくもある」
「ヌー」
「なんだか恥ずかしいな・・・」

「フハハハッ!まだまだこれだけではないぞ!次の写真を見るがいい!」

「強者感出してるの腹立つな」
「どうせ後で暴力で解決するんだから今だけイキらせておけ」



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「おお、いよいよ良家のお嬢様感出てきたぞ」
「ヒナイチくん、こういう系統の服もよく似合うじゃないか。今度実際に着てみるのどう?」
「そ、そうか?変じゃないか?」
「そんな事は澗が一にもあり得ないさ!ねぇジョン?」
「ヌー」

「お喋りはそこまでだ!最後にこれを見るがいい!」

「いちいち煩い奴だな」
「少し調子に乗らせ過ぎたな」



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「バイオリンの発表会か?」
「発表会終わった後にご馳走ねだってそう」
「勿論ご褒美のクッキーもねだるぞ!」
「胸を張って言う事じゃねーだろ」
「帰ったら焼いてあげるよ」
「ヌンヌヌンヌー!」
「ジョンの分も勿論焼いてあげるよ」
「ヌー!」
「俺の分も焼けよ」
「セロリクッキー?スナァ!!」
「さてと。おいお前、気は済んだか?」

「ああ、スッキリしたぞ!」

「そんじゃブン殴るわ」

「ブエーーーー!!!」


その後、吸血鬼ありもしないお前の過去の肖像画や写真を生み出すは話のネタにもなるという事からそこそこの支持を得たと言う。




END
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