ヒナコレ

頼もしき?仲間達と共に強大な悪を退けた魔法美少女ヒナイチレッド。
戦いの日々の合間にコツコツと勉強をしていた彼女は見事に志望校に合格し、本日晴れて女子高生へとステップアップした。



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仲間と掴んだ輝かしい日常。
その一日一日を大切に生きようと胸に誓うヒナイチ。
しかし、新たな悪が忍び寄っている事をヒナイチは知らないのであったプリ。

「ん?プリ?」

モノローグと共に聞き覚えのある語尾にヒナイチのアンテナがハテナの形に変形する。
もしやと思って振り返れば、潰れた饅頭のような顔をした妖精が木の影から邪悪な表情でヒナイチを見つめていた。

「お、お前はスコスコ!!?」
「だからその呼び方やめて欲しいプリ~!」
「お前の正式名称は魔法美少女スコスコ妖精なんだろう?だったらスコスコでいいじゃないか」
「魔法美少女の相棒には相応しくない名前プリ!」
「知らん。私は学校があるからこれでいくぞ」
「ま、待つプリヒナイチレッド!本当に新たな悪がそこまで迫っているプリ!」
「そうか、新しい魔法美少女を探して頑張ってくれ」
「ヒナイチレッドじゃないとダメプリ!第二シーズンは前シーズンの戦士を続投するのがシリーズもののセオリープリ!でないと視聴者を固定出来ないプリ!」
「どこ目線のメタい話をしてるんだ。とにかく私は行くぞ」
「プリ、こうなれば・・・行くプリ!第二シーズンの新たなマスコット妖精!」

スコスコ妖精がヒナイチに向けて何かを放つ。
何かしらの気配を察知してヒナイチが素早く振り返ると紫色の可愛らしいコウモリがパタパタと飛んできていた。

「か・・・可愛い~!!!」

途端にぴょん、とヒナイチのアンテナがハートの形に変わる。
ピスピスと鼻を鳴らしながら飛んでくるコウモリをヒナイチは躊躇いなく抱き寄せて頬擦りをする。

「なんだコイツは!?凄く可愛いな!!」
「第二シーズンの新マスコットとして命を吹き込んだ人形プリ」
「自分の欲望の為に軽々しく命を吹き込むな」
「それよりも第二シーズンではその人形から力を―――」
「コイツは餌はいるのか?」
「え?」
「あ、でも人形だから餌は問題ないか」
「ピス・・・ピス・・・」
「ん?眠いのか鼻息丸?少し寝苦しいかもしれないが鞄の中で寝ててくれ」

こうして私は鼻息丸をペットとして受け入れると変わらぬ日常にまた戻るのであった。

「強引に軌道修正しないで欲しいプリ~!!」








END
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