ヒナコレ
「ふふっ、美味しいコーヒー豆を貰ったぞ!今日来ると言っていたし、早速食後に出そう!喜んでくれるといいな」
『喫茶マジロ OPEN』
「ん?喫茶マジロ?こんな店あったか?」
カランカラン
「いらっしゃいま―――おや、ヒナイチくんじゃないか」
「なっ?ドラルク・・・隊長・・・?」
「は?隊長?」
「な、何故ここに?それにその恰好や髪型は・・・」
「ヒナイチくんこそ、今日は遅くなるんじゃなかった?」
「はぁ?」
「んー・・・・・・まぁいいや!ほら、ここにお座り」
「あ、ああ・・・?」
「さて美しいお嬢さん、ご注文は?」
「えっ・・・と、ココアで・・・」
「はーい、少々お待ちを!」
「・・・」
「私の顔に何か付いているかな?」
「し、失礼!知り合いによく似ていたもので・・・」
「そう」
「あの・・・失礼だが名前は?」
「私の名前はドラルク。以後、お見知り置きを」
「ドラ、ルク・・・」
「さぁ、ココアの出来上がりだ。折角だからクッキーもオマケしますよ」
「ありがとう・・・」
サクッ
「!?」
「お味は如何かな?」
「・・・美味しい」
「お口に合って何より」
「ドラルク隊長と全く同じ味・・・お前は・・・誰だ・・・?」
「・・・ねぇ、お嬢さん。時間はまだあるかい?良ければ私と少し話をしようじゃないか」
「話?」
「見た所その袋はコーヒーのようだね。どこで買ったんだい?」
「あ、いや、これは貰ったんだ。お使いで知り合いの店に届け物をしに行ったらお礼にくれたんだ」
「へぇ、そうなんだ。お店の制服で行ったって事はすぐに終わる用事だったんだ?」
「ああ、それに近くだったし。この恰好、変だったりしないだろうか?」
「そんな事ないよ。とてもよく似合っている」
「ありがとう・・・ござい、ます・・・」
「キミの言う隊長さんも褒めてくれた?」
「あ、ああ・・・可愛いねって・・・!隊長は本当に言葉が上手いんだ」
「言葉が上手いんじゃなくて本当に心から褒めたんだと思うよ。『キミを』見ていると心からの言葉しか出てこない」
「か、からかわないでくれ!!」
「からかってなんかないさ。さっきも言った通り、心からの言葉しか出てこないんだ」
「嘘だ!絶対にからかってる!隊長と似てるけど全然違う・・・隊長はもっと紳士で優しくてこんな風にからかったりは・・・」
「もしもその隊長さんとやらが何かの拍子に私みたいな性格になったらどうする?キミは嫌いになる?」
「・・・・・・分からない。だが、嫌な感じがしないから多分嫌いにならない、と、思う・・・」
「そう、良かった・・・・・・それよりも長く引き止めて悪かったね。時間は大丈夫かい?」
「あ、そうだった!早く帰らないと隊長が来てしまう!お代はいくらだ!?」
「いいよ、サービスしてあげる」
「そうはいかない!ちゃんと払うから言ってくれ!」
「やれやれ、なんだろうと律儀だねぇ。じゃあ、オマケで200円になります」
「200円だな・・・はい」
「丁度いただきましたよ」
「ご馳走様でした」
「またのご来店をお待ちしております」
カランカラン
「また来れたら・・・ね」
ガチャ(バックヤードの扉が開く)
「待たせたな、ドラルク」
「ヌー!」
「おや、ヒナイチくんとジョン。若造は?」
「付近でマイクロビキニがビキニの啓蒙活動をしてたみたいで、殴りに行ってくるから私とジョンだけ先に行っててくれと言われて来たんだ」
「最近温かくなってきたからねぇ。ビキニが出て来る季節が訪れたか」
「ヌンヌン」
「春=ビキニの季節って暗喩するのやめろ」
「ビキニと言えば夏なのにね」
「全く、シンヨコに現れる変な吸血鬼は色々なものを狂わせてくるな」
「或いはシンヨコが色々なものを狂わせていたりしてね」
「ん?」
「いや、何でもないさ。それよりも暇潰しに新作のパフェを考案したんだけど味見するかい?」
「いただこう!」
「ヌ~!」
END
『喫茶マジロ OPEN』
「ん?喫茶マジロ?こんな店あったか?」
カランカラン
「いらっしゃいま―――おや、ヒナイチくんじゃないか」
「なっ?ドラルク・・・隊長・・・?」
「は?隊長?」
「な、何故ここに?それにその恰好や髪型は・・・」
「ヒナイチくんこそ、今日は遅くなるんじゃなかった?」
「はぁ?」
「んー・・・・・・まぁいいや!ほら、ここにお座り」
「あ、ああ・・・?」
「さて美しいお嬢さん、ご注文は?」
「えっ・・・と、ココアで・・・」
「はーい、少々お待ちを!」
「・・・」
「私の顔に何か付いているかな?」
「し、失礼!知り合いによく似ていたもので・・・」
「そう」
「あの・・・失礼だが名前は?」
「私の名前はドラルク。以後、お見知り置きを」
「ドラ、ルク・・・」
「さぁ、ココアの出来上がりだ。折角だからクッキーもオマケしますよ」
「ありがとう・・・」
サクッ
「!?」
「お味は如何かな?」
「・・・美味しい」
「お口に合って何より」
「ドラルク隊長と全く同じ味・・・お前は・・・誰だ・・・?」
「・・・ねぇ、お嬢さん。時間はまだあるかい?良ければ私と少し話をしようじゃないか」
「話?」
「見た所その袋はコーヒーのようだね。どこで買ったんだい?」
「あ、いや、これは貰ったんだ。お使いで知り合いの店に届け物をしに行ったらお礼にくれたんだ」
「へぇ、そうなんだ。お店の制服で行ったって事はすぐに終わる用事だったんだ?」
「ああ、それに近くだったし。この恰好、変だったりしないだろうか?」
「そんな事ないよ。とてもよく似合っている」
「ありがとう・・・ござい、ます・・・」
「キミの言う隊長さんも褒めてくれた?」
「あ、ああ・・・可愛いねって・・・!隊長は本当に言葉が上手いんだ」
「言葉が上手いんじゃなくて本当に心から褒めたんだと思うよ。『キミを』見ていると心からの言葉しか出てこない」
「か、からかわないでくれ!!」
「からかってなんかないさ。さっきも言った通り、心からの言葉しか出てこないんだ」
「嘘だ!絶対にからかってる!隊長と似てるけど全然違う・・・隊長はもっと紳士で優しくてこんな風にからかったりは・・・」
「もしもその隊長さんとやらが何かの拍子に私みたいな性格になったらどうする?キミは嫌いになる?」
「・・・・・・分からない。だが、嫌な感じがしないから多分嫌いにならない、と、思う・・・」
「そう、良かった・・・・・・それよりも長く引き止めて悪かったね。時間は大丈夫かい?」
「あ、そうだった!早く帰らないと隊長が来てしまう!お代はいくらだ!?」
「いいよ、サービスしてあげる」
「そうはいかない!ちゃんと払うから言ってくれ!」
「やれやれ、なんだろうと律儀だねぇ。じゃあ、オマケで200円になります」
「200円だな・・・はい」
「丁度いただきましたよ」
「ご馳走様でした」
「またのご来店をお待ちしております」
カランカラン
「また来れたら・・・ね」
ガチャ(バックヤードの扉が開く)
「待たせたな、ドラルク」
「ヌー!」
「おや、ヒナイチくんとジョン。若造は?」
「付近でマイクロビキニがビキニの啓蒙活動をしてたみたいで、殴りに行ってくるから私とジョンだけ先に行っててくれと言われて来たんだ」
「最近温かくなってきたからねぇ。ビキニが出て来る季節が訪れたか」
「ヌンヌン」
「春=ビキニの季節って暗喩するのやめろ」
「ビキニと言えば夏なのにね」
「全く、シンヨコに現れる変な吸血鬼は色々なものを狂わせてくるな」
「或いはシンヨコが色々なものを狂わせていたりしてね」
「ん?」
「いや、何でもないさ。それよりも暇潰しに新作のパフェを考案したんだけど味見するかい?」
「いただこう!」
「ヌ~!」
END