ヒナコレ

「はぁ、今日も疲れたね、ジョン」
「ヌ~」
「今日は外食でもいいかい?」
「ヌー」
「ありがとう。それじゃ」


カランカラン


「いらっしゃ・・・なんだ、隊長さんか」
「あ、隊長!」

「やぁヒナイチくん、エセ昼行燈」
「ヌー」

「隊長がギルドに寄るなんて珍しいな!休憩か?」

「ううん、仕事終わり。今日は外食で済ませようと思ってね」

「そうなのか。お疲れ様、隊長。早速だが注文は?」

「私は鮭定食。ジョンはビーフシチューセットで」

「分かった、すぐに用意するから待っててくれ」



そして・・・



「ふぅ、美味しかった。ねぇジョン」
「ヌ~♡」
「特にお味噌汁、とっても美味しかったよ」

「ほ、本当か?味噌汁は今日は私が作ったんだ・・・!」

「そう、やっぱり。ヒナイチくんの作るお味噌汁はいつ飲んでも美味しいねぇ」

「・・・!しょ、食後の紅茶を用意しよう!サービスだ!!」

「本当?ありがとう」



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「なぁマジロ、お前のとこのご主人はありゃ口説きに来てるのか?それとも天然か?」

「ヌ~・・・ヌヌョーヌヌヌヌ」

「マジロから見ても微妙な所か・・・とんだ天然スケコマシだな」



そしてそして・・・



「ふぅ、紅茶も美味しかったよ」

「それは良かった・・・!」

「それじゃ、今日はこれでお暇しようかな。行こうか、ジョン」
「ヌ~」
「じゃあね、ヒナイチくん」


カランカラン


「あ・・・」
「ん~?ヒナイチ、映画のチケットを渡さなくていいのか~?隊長さんと行かないなら兄さんが一緒に映画を見に行ってやろうか~?」
「ま、間に合っている!!」


カランカラン


「やれやれ、手のかかる妹だ」









「隊長!」

「おやヒナイチくん、どうしたんだい?何か忘れ物でもしてしまったかな?」

「あ、ああ・・・大切な忘れ物だ!」

「大切な忘れ物?ジョンはいるし、財布はあるし、スマホだって―――」

「映画の!・・・・・・チケット・・・!」

「・・・・・・え?」

「私と!言って欲しい!映画、に・・・!」

「私が・・・ヒナイチくんと?」

「やはり・・・駄目か・・・?」


ファー


「召された!?そんなに嫌だったのか、隊長・・・」

「逆逆!召される程嬉しいの!で、でも本当にこんなくたびれたおじさんでいいの?ヒナイチくんは可愛いし若いんだからもっと良い人がいるんじゃ―――」

「隊長以上に良い人を私は知らない」


ファー


「また召された!?」

「ヌー!!」


二人のデートがドタバタな結果になるのはまた別の話。









オマケの全身画像↓

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END
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