みっぴきだいありー

「シクシクシクシクシクシクシクシクシク・・・」


「秋の夜長に扉越しからゴリラの泣き声が聞こえるね、ジョン」

「ヌ、ヌゥ・・・」


「シクシクシクシクシクシクシクシクシク・・・」


「全く、常々学習しないゴリラだ。カレンダーを見ては『まだ余裕がある』と宣っていつもこうして追い詰められているというのに。あれ絶対に夏休みの宿題を最終日に泣きながらやってたぞ」


「シクシクシクシクシクシクシクシクシク・・・」


「フクマさんも大変だな、毎度毎度こんな夜遅くまで付き合わされて」


「シクシクシクシクシクシクシクシクシク・・・」


「・・・・・・はぁ、仕方ない。ジョン、一緒にサンドイッチでも作ろうか」

「ヌー!」



そして・・・



「お疲れ様です、フクマさん。ロナルド君の進捗は如何ですかな?」

「まだ2割といった所です」

「え?三時間も経って2割?何やってんだこの鈴ゴリラ・・・フクマさんも大変ですな」

「いえ、お仕事ですから」

「毎度毎度頭が下がりますよ。それよりこちら、ロナルド君の分のサンドイッチとフクマさんの分のサンドイッチです。息抜きにお召し上がり下さい」

「すいません、私の分まで。恐れ入ります」

「飲み物はホットコーヒーで宜しいですかな?」

「ええ、ありがとうございます。ロナルドさん、ドラルクさんがお夜食を作ってくれましたので少し休憩しましょうか」

「あ”いっ!ぐすっ!!どらこーないす!!」

「追い詰められ過ぎて幼児退行一歩手前まで来てるな」

「ヌァ・・・」

「さてと・・・おーい、ヒナイチくーん」


コンコンコン(床下をノックする)

ガタッ


「どうした?ドラルク」

「お夜食のサンドイッチ作ったけど食べる?」

「食べる!」

「ヒナイチくんも今日は資料作りで忙しいんだってね。大丈夫そう?」

「ああ、もうすぐで仕上がりそうだ」

「そう、お疲れ様。タンブラーにホットコーヒー淹れたから火傷しないようにね」

「分かった。ありがとう、ドラルク」

「食器はシンクに水に浸けて置いといてくれていいからね」

「ちゃんと洗っておくぞ」

「ありがとう。でも出勤時間に間に合わなかったら本当に置いといてくれていいから」

「分かった。それじゃあ、私は資料作りに戻る」

「うん、頑張ってね」

「ヌンヌッヌ!」

「フフ、二人共ありがとう」


ガタン(床下が閉まる)


「さてと」


ガチャ(住居スペースに移動する)


「ジョン、私達は配信部屋でサンドイッチを食べながら静かにノベルゲーでもしてようか。煩くして私達までコロッケ工場に強制連行されたらかなわないし」

「ヌー!」



その後・・・



「さて、もう朝だし寝るとしよう」

「ヌァ~ァ・・・」


ガチャ(リビングの扉を開ける)


「ウッホ!ドラ公ログイン!サンドイッチ感謝のゴリラダンス披露するウッホ!!」


デュクシ!!(ロナルドの顔を殴るが反作用で死ぬ)


「ヌ~!!!」






END
3/24ページ
スキ