みっぴきだいありー

「ドラルクッキー!」

「私の名前とクッキーを繋げて呼ぶんじゃないよ、全く。私を押すとクッキーが出てくる機械と思ってからに・・・」

「・・・ドラルクの作ったクッキーが出てくるボタン。ピッ」


トン(ドラルクのベストのボタンを押す)


「ちょ、ヒナイチくん?」

「クッキーが食べたい」


トン


「ちょっ」

「いっぱい食べたい」


トン


「まっ」

「チョコチップクッキー」


トン


「アイシングクッキー」


トン


「くすぐったいよヒナイチくん」

「ヌンヌヌンヌー!」

「ああ、ジョンも一緒にやろう!ステンドグラスクッキー!」

「ヌッヌー!」


トン


「抹茶クッキー!」

「ヌー!」


トン


「パフェ!」

「ヌッヌヌヌイ(アップルパイ)」


トン


「ゼリー!」

「ヌョコヌヌーヌ(チョコクレープ)」


トン


「アッハハハ!参った参った!降参だよ!仕方ない、可愛いマジロと姫君の為にお菓子製造機になろうじゃないか!」

「やった!クッキー!」

「ヌー!」

「今日の晩飯は唐揚げがいいボタン」


トン


「エラー発生!エラー発生!不審ゴリラ排除の為に生セロリを排出します」


セロリ


「じゃらばしゃがだまなあどぎゃらーーー!!!」

「調子に乗るなよバカ造如きが」

「おばっしゃーーー!!!」


スナァ!!


「何で俺にだけ意地悪するんだよ!!?」

「むしろ私が若造にだけ優しくしてやったことがあったか?」

「ジョンとヒナイチばっか贔屓してねーで俺のも作れよ!!」


スナァ!!スナァ!!スナァ!!


「セロリ第二陣、参ります」


セロリ


「ぎゃじゃああーーー!!!」

「フン、ロナゴリラの所為で作る気が失せたわ。ドラドラちゃんキッチンは本日は閉店です」


バタン(棺桶の蓋が閉まる)


「あ、ドラルク!」

「ヌー・・・」

「ジョンは入れてあげる」

「ヌー!」


バタン(ジョンを入れてまた蓋が閉まる)


「おいこら出て来やがれクソ砂!」

「出て来ませーん。ドラドラちゃんは大音量で優雅にゲームをするのだ」

『その声はもしや!!』

「オイやめろよてめぇ!!それ俺が今やってるゲームじゃねーか!!まだそこまで行ってねーからネタバレすんな!!」

「ロナルドはまだこのイベントまで進んでないのか?私はついこの間終わったぞ」

「マジで!?早くね!?」

「レベルの低い所でちまちまレベル上げしてるからだろザコルド」

「うっせ!強いとこ行ってフルボッコにされた俺のトラウマが分かるか!!」

「ある程度強くしたらまた挑む。これが勇者というものだ。スライムベスが怖くてスライムしか相手に出来ない五歳児は最初のフィールドをウロウロしてまちょうね〜」

「誰がスライムしか相手に出来ないチキンじゃ!!キングスライムレベルまで果敢に挑めるわ!!」

「話がズレてるぞ。そんな事よりもドラルクに棺桶から出て来てもらわないと」

「うっ、それもそうだな」

「ちなみに私はギガンテスに臆する事なく挑む事が出来るぞ」

「何で今マウント取ったの!?ねぇ!?」

「ドラルク!ドラルクの作った美味しいクッキーが食べたい!」

「どーしよっかなー」

「うぜぇなこの言い方」

「はいマイナス1億ポイントー」

「はぁ!?いきなりなんのポイントが減ったんだよ!!」

「マイナス1億1ポイントいったら今日はもうご飯作りませーん」

「リーチじゃねーか!!!」

「ヌー?」

「えー?・・・ったく、しゃーねーなぁ。オイ、ヒナイチ」

「ん?」

「いーふいふっいーふいふっへいっいーふいふっいーふいふっ」

「いーふいふっへいっいーふいふっ」


ガタッ


「「いーふいふっいーふいふっへいっいーふいふっいーふいふっ」


ガタガタッ


「「いーふいふっいーふいふっへいっいーふいふっいーふいふっへいっ!!」」


ガタン(棺桶の蓋が開いてドラルクがノリノリで踊り始める)


「畏怖いドラルクの飯が食いたいっへいっ!」

「畏怖いドラルクのクッキーが食べたいっへいっ!」

「畏怖いドラちゃんがゴブリン共の為に作ってやろうっへいっ!」

「ヌイっ!」


ひゅーパチパチパチパチ!!


「やっと出て来たか、ったく」

「さてと、ジョンは味見を手伝ってくれるかな?」

「ヌー!」

「ヒナイチくんも作るの手伝ってくれるかね?」

「ああ、任されよう!」

「若造はキンデメさんに昔話でも聞かせてもらえ(スナァ)」

「舐めてんじゃねーよクソ砂!!俺だって手伝いくらいできらぁ!!」

「ほう?鍋を真っ黒焦げにしたり火事を起こしかけたりとかか?」

「あっ、あれは単なる・・・事故で・・・」

「電子レンジに卵入れて爆破させたのはどこのゴリラだ?」

「・・・」


「むか~しむかし、ある川に鯉と金魚がいました」

「・・・」(水槽の前で体育座りしてる)


「ヒナイチくん、サラダお願いね」

「分かった!」

「ふむ、味噌汁の味は・・・ジョン、どう?」

「ヌッ!」(親指立てる)


ジュワワ~(からあげを揚げる音)


(あ、からあげの音・・・)


「フフフ、流石はドラドラちゃん!今日も素晴らしい揚がりだ!」

「ドラルク!」

「ヌ~!」

「はいはい、熱いから火傷しないようにね」

「はふはふっ!・・・う~ん、美味しい!ちん!」

「ヌフ~!」


(いいなぁ、からあげの摘まみ食い・・・食いてぇなぁ・・・)


「泣くな」

「泣いてねぇし・・・ぐすっ・・・」

「ロナルド」

「ヌー」


ポン(ヒナイチがロナルドの肩を叩く)


「あ?ヒナイチ、ジョン?」

「ロナルドの分、持って来たぞ」

「イヌヌンオオヌイヌ ヌヌヌヌヌヌヌヌヌンヌヌヌッヌ(一番大きいのドラルク様に選んでもらったヌ)」

「ぐすっ・・・!いただきます!!めんぼくねぇ!!めんぼくねぇ!!」


「その辺にしないと海王類の餌にされるぞゴリラ海賊団船長ロナゴリラ」


「さ、用意が出来たからみんなで食べよう」

「ヌンヌン」

「ああ、そうだな!」

「キンデメさんの昔話を大人しく聞いていた良いゴリラのサラダにはセロリをトッピングしておいたぞ」


スナァ!!!


「ヌ~!!!」







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