ポンチと踊るダンスホール
満月の光がまんべんなく降り注ぐ屋上。
広がるコンクリートは人工芝で覆われており、設置された檀上や参列席、そして華やかな装飾が施されたそこは立派な結婚式会場だった。
最近流行りの屋上の結婚式場というものだ。
そんな式場に武々夫はいた。
参列者として。
「何で参列者なんだよ!!!」
参列席で武々夫は吠えた。
「俺と沢山の巨乳のお姉さんたちとの結婚式じゃないのかよ!!!?」
「静かにしたまへ武々夫。今は私とヒナイチくんの式を執り行っている真っ最中だ」
檀上には黒のタキシードを着たドラルクと黒のウェディングドレスを着たヒナイチが並んでいた。
「はぁあああああああ!!?何でドラルクさんとぺちゃぱいの子が結婚式挙げてんだよ!!?」
「し、失礼な!!」
「気にしなくていいよ、ヒナイチくん。キミの魅力は胸だけではないのを私がよく知っている」
「ん・・・そ、そうだな」
「そういう訳だからそこで静かにしているように。あ、ご祝儀は2憶円で宜しく」
「高すぎんだろご祝儀!!袋何枚必要だよ!!?」
「うるせーぞ武々夫。ドラ公達の式が終わんねーと俺達の式が挙げらんねーだろ」
そう言って武々夫を窘めたのは武々夫の隣に座る白タキシードのロナルドと全身にモザイクのような靄がかかった白のウェディングドレス姿の女性のようなものだった。
モザイクの頭に当たる部分はピンク色だ。
「あれー!?ロナルドさんまで何でタキシード着てるンスか!!?」
「何でってドラ公達の後に俺と…ン…さんが式を挙げるからだよ」
「ロナルド…ゃ…私、嬉しいです!」
「俺もです、サ……さん・・・!」
「抜け駆けとかどーいう事ッスかロナルドさん!?俺達モテたい四天王の友情はどうなったンスか!?」
「あ?俺だけ責めんなよ。ショットにも言えや」
「よ、武々夫」
「さっきからうるさい。静かにするしろ」
「嘘ぉおおおおおおおおおお!!!??」
ロナルドとモザイクの女性の隣には同じくタキシードを着たショットと薄ピンク色のウェディングドレスを着たターチャンが座っていた。
「な、なんで・・・?どーして・・・ターチャンさんと・・・?」
「何でって・・・なぁ?」
「察せられない男モテないネ」
「ターチャン達の次はオレ達だから静かにしててくれねーか?」
「それに今はドラルクさん達の大切な瞬間だし」
反対側の席では真っ赤なウェディングドレスを着たマリアとこれまた同じくタキシードを着たサテツが座っていた。
「あ”ぁ”--------!!!??!?」
「ちなみにオレ達の次はコユキ達だからな!」
「こんにちは」
サテツの奥からアイボリー色のウェディングドレスに身を包んだコユキがひょっこりと顔を出す。
彼女は隣に座る新郎の袖を引っ張って挨拶をするように促すが男性は面倒だからと言って応じない。
ちなみに袖の生地はピンク色で、グー・チョキ・パーのジャンケン柄がプリントがチラリと見えていた。
「あ”---------------!!!!!!!」
周囲リア充だらけ。
しかも目を付けてた女の子ばかり。
一人だけモザイクかかってたけど。
とにかく自分を置き去りにして結婚式を挙げる知人達に耐えられず武々夫は断末魔の叫びを上げて出口の扉を抜けて階段を全速力で駆け降りた。
そして降りた先の扉に無我夢中で飛び込む。
「遅かったな、武々夫。披露宴はもう始まってるぞ」
飛び込んだ先ではドラルクとヒナイチの結婚式の披露宴が行われており、ヒナイチはお色直しの後なのか、別のドレスを着ていた。
よく見れば他の参列者兼新婦の女子面子もお色直しをした後だった。
「あ”----------------!!!!!」
武々夫は絶叫するとまた全速力で会場を飛び出して階段を駆け下り、次の扉の向こうに飛び込む。
「やっと来たか武々夫。二次会は始まってるぞ」
「早ぇーーーよ!!つーか女の子みんなまた別のドレス着てるじゃねーか!!」
「祖父を始め、一族が張り切ってしまってな。少なくとも千次会はするから覚悟しておけ」
「どんだけすんだよ!!?会場そんなに用意出来んのかよ!!?」
「言っていなかったか?このビルは結婚式専用ビルで全部で千フロアあるのだ」
「いくらシンヨコつっても限度ってもんがあんだろ!!!」
「ところで余興の出し物はないのかね?」
「ねーよ!!!」
叫んで武々夫は会場を飛び出して行った。
その後も何度も扉の先に飛び込んでは結婚式会場にぶち当たってドラルク達に見せつけられて・・・を延々と繰り返した。
延々と・・・永遠に・・・
「おあーーーーーーーーーーーー!!!!」
ガバッと勢いよく飛び起きる武々夫。
息を乱し、冷や汗をかきながら恐る恐る部屋を見回す。
そこは結婚式会場でも何でもなく、エロ本やらエロビデオやらゴミやらが散らかるいつもの自分の部屋だった。
外も広がる青空に太陽が昇っていてとても吸血鬼が活動出来る雰囲気ではない。
これまでの事が全て夢だったと知り、武々夫は深く深く安堵の溜息を吐く。
「とまぁ、そんな事があったんで抜け駆けも結婚も禁止って事で!」
「何で結婚まで禁止にされなきゃいけねーんだよバカ」
事務所でロナルドの冷ややかなツッコミにショットは頷き、マナー違反はケラケラと笑い、おつまみを作って持って来たドラルクとジョンは「相変わらず武々夫はバカだ」と思うのであった。
※サンズちゃんにモザイクがかかっていたのは武々夫とサンズに面識がない為(少なくとも原作の作中では会った事ないよね?違ってたらごめん・・・)
END
広がるコンクリートは人工芝で覆われており、設置された檀上や参列席、そして華やかな装飾が施されたそこは立派な結婚式会場だった。
最近流行りの屋上の結婚式場というものだ。
そんな式場に武々夫はいた。
参列者として。
「何で参列者なんだよ!!!」
参列席で武々夫は吠えた。
「俺と沢山の巨乳のお姉さんたちとの結婚式じゃないのかよ!!!?」
「静かにしたまへ武々夫。今は私とヒナイチくんの式を執り行っている真っ最中だ」
檀上には黒のタキシードを着たドラルクと黒のウェディングドレスを着たヒナイチが並んでいた。
「はぁあああああああ!!?何でドラルクさんとぺちゃぱいの子が結婚式挙げてんだよ!!?」
「し、失礼な!!」
「気にしなくていいよ、ヒナイチくん。キミの魅力は胸だけではないのを私がよく知っている」
「ん・・・そ、そうだな」
「そういう訳だからそこで静かにしているように。あ、ご祝儀は2憶円で宜しく」
「高すぎんだろご祝儀!!袋何枚必要だよ!!?」
「うるせーぞ武々夫。ドラ公達の式が終わんねーと俺達の式が挙げらんねーだろ」
そう言って武々夫を窘めたのは武々夫の隣に座る白タキシードのロナルドと全身にモザイクのような靄がかかった白のウェディングドレス姿の女性のようなものだった。
モザイクの頭に当たる部分はピンク色だ。
「あれー!?ロナルドさんまで何でタキシード着てるンスか!!?」
「何でってドラ公達の後に俺と…ン…さんが式を挙げるからだよ」
「ロナルド…ゃ…私、嬉しいです!」
「俺もです、サ……さん・・・!」
「抜け駆けとかどーいう事ッスかロナルドさん!?俺達モテたい四天王の友情はどうなったンスか!?」
「あ?俺だけ責めんなよ。ショットにも言えや」
「よ、武々夫」
「さっきからうるさい。静かにするしろ」
「嘘ぉおおおおおおおおおお!!!??」
ロナルドとモザイクの女性の隣には同じくタキシードを着たショットと薄ピンク色のウェディングドレスを着たターチャンが座っていた。
「な、なんで・・・?どーして・・・ターチャンさんと・・・?」
「何でって・・・なぁ?」
「察せられない男モテないネ」
「ターチャン達の次はオレ達だから静かにしててくれねーか?」
「それに今はドラルクさん達の大切な瞬間だし」
反対側の席では真っ赤なウェディングドレスを着たマリアとこれまた同じくタキシードを着たサテツが座っていた。
「あ”ぁ”--------!!!??!?」
「ちなみにオレ達の次はコユキ達だからな!」
「こんにちは」
サテツの奥からアイボリー色のウェディングドレスに身を包んだコユキがひょっこりと顔を出す。
彼女は隣に座る新郎の袖を引っ張って挨拶をするように促すが男性は面倒だからと言って応じない。
ちなみに袖の生地はピンク色で、グー・チョキ・パーのジャンケン柄がプリントがチラリと見えていた。
「あ”---------------!!!!!!!」
周囲リア充だらけ。
しかも目を付けてた女の子ばかり。
一人だけモザイクかかってたけど。
とにかく自分を置き去りにして結婚式を挙げる知人達に耐えられず武々夫は断末魔の叫びを上げて出口の扉を抜けて階段を全速力で駆け降りた。
そして降りた先の扉に無我夢中で飛び込む。
「遅かったな、武々夫。披露宴はもう始まってるぞ」
飛び込んだ先ではドラルクとヒナイチの結婚式の披露宴が行われており、ヒナイチはお色直しの後なのか、別のドレスを着ていた。
よく見れば他の参列者兼新婦の女子面子もお色直しをした後だった。
「あ”----------------!!!!!」
武々夫は絶叫するとまた全速力で会場を飛び出して階段を駆け下り、次の扉の向こうに飛び込む。
「やっと来たか武々夫。二次会は始まってるぞ」
「早ぇーーーよ!!つーか女の子みんなまた別のドレス着てるじゃねーか!!」
「祖父を始め、一族が張り切ってしまってな。少なくとも千次会はするから覚悟しておけ」
「どんだけすんだよ!!?会場そんなに用意出来んのかよ!!?」
「言っていなかったか?このビルは結婚式専用ビルで全部で千フロアあるのだ」
「いくらシンヨコつっても限度ってもんがあんだろ!!!」
「ところで余興の出し物はないのかね?」
「ねーよ!!!」
叫んで武々夫は会場を飛び出して行った。
その後も何度も扉の先に飛び込んでは結婚式会場にぶち当たってドラルク達に見せつけられて・・・を延々と繰り返した。
延々と・・・永遠に・・・
「おあーーーーーーーーーーーー!!!!」
ガバッと勢いよく飛び起きる武々夫。
息を乱し、冷や汗をかきながら恐る恐る部屋を見回す。
そこは結婚式会場でも何でもなく、エロ本やらエロビデオやらゴミやらが散らかるいつもの自分の部屋だった。
外も広がる青空に太陽が昇っていてとても吸血鬼が活動出来る雰囲気ではない。
これまでの事が全て夢だったと知り、武々夫は深く深く安堵の溜息を吐く。
「とまぁ、そんな事があったんで抜け駆けも結婚も禁止って事で!」
「何で結婚まで禁止にされなきゃいけねーんだよバカ」
事務所でロナルドの冷ややかなツッコミにショットは頷き、マナー違反はケラケラと笑い、おつまみを作って持って来たドラルクとジョンは「相変わらず武々夫はバカだ」と思うのであった。
※サンズちゃんにモザイクがかかっていたのは武々夫とサンズに面識がない為(少なくとも原作の作中では会った事ないよね?違ってたらごめん・・・)
END