ポンチと踊るダンスホール

「そうえばさっきのガールズトークでクソゲーやってるって言ってたけど何で?」

パジャマガールズトークバトルの後、みんなでスパに行って温泉に浸かっていた時の事。
ヒナイチがクソゲーをしていると公言した時に詳しく聞こうとしたものの、税金はうんこという話題に逸れて聞けずじまいだったのをパジャマガールの一人が思い出して尋ねた。
温泉の心地良さにすっかり気の抜けていたヒナイチは「え、いや」と一瞬慌てたものの、すぐに困惑気味の笑みを浮かべて説明をした。

「知り合いの吸血鬼がゲーム好きで隣で見てたら私もやりたくなって、それで私でも出来るゲームがないか聞いたんだ。そしたらクソゲーを勧められてしまってな」

「名作は教えてもらわなかったの?」

「私も名作がいいと言ったんだが『先にクソゲーを堪能してから名作をプレイするとより感動出来るよ』って言うんだ」

「そりゃ確かにクソゲープレイしたら名作だろうと凡作だろうと凄く感動出来るだろうけど・・・でも面白い人だね、その吸血鬼さん」

「ああ。他にもよく色んな面白い事を思いつく奴だから一緒にいて凄く楽しいんだ!」

「奴って事は男の人?付き合ってたりするの?」

「つつつつ付き合う!?そそそそそんな事はないぞ!!?別にそんな深い関係じゃ―――」

「ほぼ毎日ご飯作ってもらったりおやつ作ってもらってる奴が何を言ってるですか」

「サンズ!!」

「えー!?ご飯作って貰ってるの!?まさかの同棲!?」

「ち、違う!監視のついでで食べさせてもらってるだけだ!それにご飯はその吸血鬼の同居人の男も一緒だからそういう深い意味はない!!」

「監視って・・・いよいよどういう関係?」

「訳は深くは聞かないで欲しいんだが仕事でな・・・」

「そっか・・・ところで吸血鬼ってご飯作るの上手って聞くけど本当?」

「んな訳ないでしょうが!人それぞれに決まってんだろうがよぉ!ほぼ毎日カップ麺の虫ケラで悪いかぁ!!」

「誰も悪いなんて言ってないだろ、あべっくにく美」

「お前、中華料理食べる出来る?ウチくるか?ご馳走様してやるネ」

「うるせぇえええ!優しくすんなぁああ!」

「・・・とまぁ、こんな感じで料理の腕はそれぞれだが私の知り合いの吸血鬼は古くから生きる吸血鬼だから料理が凄く美味しいんだ!」

「そーそー、アイツの作る飯すげー美味いんだよなー」

「にんにくダメ、残念けどな」

「その中でも特にクッキーが絶品で毎日何枚でも食べられる程美味しいんだ!他にも家事が得意でそっち方面は凄く頼りになるんだ!」

「え?何それ?面白くて料理も家事も出来てしかも吸血鬼ってスペック高過ぎでしょ」

「その代わりに人をおちょくってくるクソヤローですけどね」

「そこはアイツの悪い癖だな」

「しかもクソ雑魚ネ」

「そこはまぁ・・・仕方ない気もする。生まれ持った体質はどうしようもないからな」

「でもアイツ、ロナ戦の影響もあって何気女ファン多いよな」

「べ、別にファンなんて言う程―――」

「え、待って!?この子の言ってた吸血鬼ってドラルクさん!?」

「マジー!?アタシファンなんですけどー!」

「ちなみにウチはロナルド様が好きー!」

「ねぇねぇ、今度会わせてくんない?」

「おう、いいぜ!」

「ま、マリア!?」

「何を慌ててるです床下ぁ?何でもない関係の筈ですよねぇ?」

「うぐっ、それは・・・」

「えー何々?もしかしてドラルクさんに何かある訳?」

「かかかか勘違いするな!そんな事は断じてない!!」

「キョドってるのが怪しすぎ~!」

「そのまんま成立してヌイッターでカップル垢作って半年で止まりなさいよ。盛大に笑ってやるわ」

「知り合いを前に根性がクソねじ曲がってるですよ、クソ美」


ガールたちのトークはまだまだ続くのであった。





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