台詞を言ってはダメ縛り
白い部屋、何も無いこの部屋に面識も何も無い
三人が閉じ込められていた
お互いの顔も知らない何者なのかも分からない
しかしこの静寂の理由はそれだけでは無かった
この白い部屋の扉は固く閉ざされ
その扉には"喋った者には死を"と短く書かれていた
それだけなら信じない者も居たかも知れないが
そこに居る者達は全員がそこに書いてある文が
真実であるという事を確信していた
それは何故か、実際に目の前でそれが起こったからに他ならなかった
遡る事、数十分前
閉じ込められたメンバーの一人であるアテミスは真っ先に扉の文字を見つけ声を出した
その瞬間だった
部屋の天井から銃の様なものが現れビームを放ったと思うとそこに居たはずのアテミスの姿は消え去っていた
静まり返ったその部屋、それぞれの目の前には一枚の紙が落ちて来た
そこにはそれぞれの致命傷となる様な事が書かれたものだった
ある者は息を呑み、ある者は額から汗を流した
お互いに目を見合わせて、その部屋の恐ろしさを共有した、そして完成したのがこの静寂だった
暫くすると紫の本が現れ、先程消滅したはずのアテミスが復活した
一瞬目を疑ったが、こいつはそういう者なのだと二人は感じた
二人とはそれぞれドッカーンとマリシャス
それぞれ別の世界から唐突に召喚され
この理不尽な部屋に囚われている
ドッカーンはとりあえずこの部屋で声を出すのは得策では無いと感じ、部屋の壁へもたれ掛かりながら脱出の手段に色々と思考を巡らせていた
一方でマリシャスは落ち着かないのかイライラとした様子でウロウロと部屋を歩き回り壁を触ったり強く蹴ってみたりと、こちらも別の方面から脱出の糸口を探していた
そんな中で現れたアテミスを一瞥すると興味を無くした様に再び視線を戻す
しかしそんな二人の態度にアテミスはニヤリと笑みを浮かべて、まずはドッカーンへと近づいた
まずはじっと顔を覗き込み、目の前で変顔をしてみたりと明らかに笑わせに来ていた
しかしその程度で笑うはずもなく静観していたが今度は体に触れようとしてきた為ドッカーンは触れようとした場所を瞬時に煙と化して
それを阻止した
触れられないのを不服と感じたのかヤケになって触って来ようとするするアテミスの行動とは裏腹に軽くそれを退けて見せて少し得意になったドッカーンはニヤリと笑って見せると今度は顔を異形へと変形させアテミスを頭から咥え込むと上を向きあっという間に丸呑みにしてしまった
そして中で何かしでかす前に燃やし尽くしてさっさと消化してしまった
口からは煙だけを吐き出すとチラリとマリシャスへ目線を向ける
マリシャスはこちらの一部始終を見て引いてる様子で明らかに顔が引き攣っていた
マリシャス自身も異形の姿であるからこう言った事に動揺しないと思っていたが存外奇異の目で見られた様に感じた
当の本人は魂を食す悪魔ではあるが、さすがに瞬時に復活する様な得体の知れない相手を食してしまう程のゲテモノ食いでは無かった
そして二人の予想通りアテミスはまた暫くしたら先程と同様に復活してきた
まぁそうだろうなと呆れにもにた感情でみつめつつこの死を恐れない危険人物をどうするか
それが当面の課題であると感じた
この状況を楽しんでいる様に見えるのもあり
いつか必ず我々を巻き込んで自爆すると考えていた
それだけは絶対に避けなければ命がいくつあっても足りない
そう思っていると早速復活したアテミスは行動を開始した、今度はマリシャスの方へと近付き先ほどのドッカーンの様にじろじろと観察している様だった
いつもであれば目障りな相手は刻むか瞬時に潰しているが、こいつは何度潰そうがケロッとして復活してくる
一時的に消し去ったとしても楽しんでいるこいつにはただの刺激か褒美にしかならず
それをあえて与えてしまうのはマリシャスとしても気に食わなかった
しかし無視するにしてはウザ過ぎる
考えた末に辿り着いたのは動きを封じる事だった、マリシャスは至近距離までアテミスへ近付くと目線を合わせ睨み付けた
フッと顔を逸らし離れてもアテミスは根を張った様にピクリとも動かなくなった
それを見て安心したのも束の間、マリシャスの背後から飛び掛かってきたそれに思わず声が漏れそうになり口を押さえた
振り払ってバッと向き合うとそれは動けなくなったはずのアテミスで楽しそうにこちらの様子を見て笑っていた
悪趣味な奴めと思いつつ関わりたくは無いマリシャスはまた距離を置いて警戒をしていた
そんな二人を差し置いてドッカーンは興味を無くし大きく欠伸をするとそのまま目を瞑る
お互いに睨み合っていた二人はそんなドッカーンの事など気にもせずにいたが
暫くして寝息が聞こえ振り返るとドッカーンは完全に眠りに落ちており、何をこんな時にとマリシャスが呆れていたがふと声を出すとはどこまで大丈夫なのかと嫌な予感がした瞬間には
ドッカーンが特大のイビキをかいて静寂の空間に響き渡ると一瞬の無音の後
ドッカーンの頭上から一本の松明が落ちて来て
マリシャスが止める間も無く視界は白く染まり
爆音と共に三人の姿は部屋ごと消え去ってしまった
その後三人が無事だったのか部屋から出られたのか知る者はいなかった…
end
三人が閉じ込められていた
お互いの顔も知らない何者なのかも分からない
しかしこの静寂の理由はそれだけでは無かった
この白い部屋の扉は固く閉ざされ
その扉には"喋った者には死を"と短く書かれていた
それだけなら信じない者も居たかも知れないが
そこに居る者達は全員がそこに書いてある文が
真実であるという事を確信していた
それは何故か、実際に目の前でそれが起こったからに他ならなかった
遡る事、数十分前
閉じ込められたメンバーの一人であるアテミスは真っ先に扉の文字を見つけ声を出した
その瞬間だった
部屋の天井から銃の様なものが現れビームを放ったと思うとそこに居たはずのアテミスの姿は消え去っていた
静まり返ったその部屋、それぞれの目の前には一枚の紙が落ちて来た
そこにはそれぞれの致命傷となる様な事が書かれたものだった
ある者は息を呑み、ある者は額から汗を流した
お互いに目を見合わせて、その部屋の恐ろしさを共有した、そして完成したのがこの静寂だった
暫くすると紫の本が現れ、先程消滅したはずのアテミスが復活した
一瞬目を疑ったが、こいつはそういう者なのだと二人は感じた
二人とはそれぞれドッカーンとマリシャス
それぞれ別の世界から唐突に召喚され
この理不尽な部屋に囚われている
ドッカーンはとりあえずこの部屋で声を出すのは得策では無いと感じ、部屋の壁へもたれ掛かりながら脱出の手段に色々と思考を巡らせていた
一方でマリシャスは落ち着かないのかイライラとした様子でウロウロと部屋を歩き回り壁を触ったり強く蹴ってみたりと、こちらも別の方面から脱出の糸口を探していた
そんな中で現れたアテミスを一瞥すると興味を無くした様に再び視線を戻す
しかしそんな二人の態度にアテミスはニヤリと笑みを浮かべて、まずはドッカーンへと近づいた
まずはじっと顔を覗き込み、目の前で変顔をしてみたりと明らかに笑わせに来ていた
しかしその程度で笑うはずもなく静観していたが今度は体に触れようとしてきた為ドッカーンは触れようとした場所を瞬時に煙と化して
それを阻止した
触れられないのを不服と感じたのかヤケになって触って来ようとするするアテミスの行動とは裏腹に軽くそれを退けて見せて少し得意になったドッカーンはニヤリと笑って見せると今度は顔を異形へと変形させアテミスを頭から咥え込むと上を向きあっという間に丸呑みにしてしまった
そして中で何かしでかす前に燃やし尽くしてさっさと消化してしまった
口からは煙だけを吐き出すとチラリとマリシャスへ目線を向ける
マリシャスはこちらの一部始終を見て引いてる様子で明らかに顔が引き攣っていた
マリシャス自身も異形の姿であるからこう言った事に動揺しないと思っていたが存外奇異の目で見られた様に感じた
当の本人は魂を食す悪魔ではあるが、さすがに瞬時に復活する様な得体の知れない相手を食してしまう程のゲテモノ食いでは無かった
そして二人の予想通りアテミスはまた暫くしたら先程と同様に復活してきた
まぁそうだろうなと呆れにもにた感情でみつめつつこの死を恐れない危険人物をどうするか
それが当面の課題であると感じた
この状況を楽しんでいる様に見えるのもあり
いつか必ず我々を巻き込んで自爆すると考えていた
それだけは絶対に避けなければ命がいくつあっても足りない
そう思っていると早速復活したアテミスは行動を開始した、今度はマリシャスの方へと近付き先ほどのドッカーンの様にじろじろと観察している様だった
いつもであれば目障りな相手は刻むか瞬時に潰しているが、こいつは何度潰そうがケロッとして復活してくる
一時的に消し去ったとしても楽しんでいるこいつにはただの刺激か褒美にしかならず
それをあえて与えてしまうのはマリシャスとしても気に食わなかった
しかし無視するにしてはウザ過ぎる
考えた末に辿り着いたのは動きを封じる事だった、マリシャスは至近距離までアテミスへ近付くと目線を合わせ睨み付けた
フッと顔を逸らし離れてもアテミスは根を張った様にピクリとも動かなくなった
それを見て安心したのも束の間、マリシャスの背後から飛び掛かってきたそれに思わず声が漏れそうになり口を押さえた
振り払ってバッと向き合うとそれは動けなくなったはずのアテミスで楽しそうにこちらの様子を見て笑っていた
悪趣味な奴めと思いつつ関わりたくは無いマリシャスはまた距離を置いて警戒をしていた
そんな二人を差し置いてドッカーンは興味を無くし大きく欠伸をするとそのまま目を瞑る
お互いに睨み合っていた二人はそんなドッカーンの事など気にもせずにいたが
暫くして寝息が聞こえ振り返るとドッカーンは完全に眠りに落ちており、何をこんな時にとマリシャスが呆れていたがふと声を出すとはどこまで大丈夫なのかと嫌な予感がした瞬間には
ドッカーンが特大のイビキをかいて静寂の空間に響き渡ると一瞬の無音の後
ドッカーンの頭上から一本の松明が落ちて来て
マリシャスが止める間も無く視界は白く染まり
爆音と共に三人の姿は部屋ごと消え去ってしまった
その後三人が無事だったのか部屋から出られたのか知る者はいなかった…
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