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アンジェラ
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「大丈夫!?」
そういって外でしゃがみこむ俺に汚れることも気にせず駆け寄るその人を俺は本気で天使だとそう思った。
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「お前生意気なんだよ!!」
テニス部入部して、バケモンみてぇな先輩たちに喧嘩を売ってから他の先輩によく思われてねぇことはわかっていた。
1年の全国が優勝に終わり、そのまま約束されたかのようにレギュラー入りを果たした。2年で俺はきっと全国へ行くだろう。
それが今まで俺をよく思ってなかった奴らの感に触ったのだろう。
校舎裏の人どうりの少ない所へ呼び出された。
俺にテニスで勝ったこともないくせに、人数集めて呼び出しをしてきた先輩に切れやすい俺は既に頭に血が上っていた。
「そういう文句は俺に買ってから言ってくださいよぉ」
先頭にいた先輩の顔がカッと赤くなる。
「お前っっ!!」
ガっと胸ぐらを捕まれ、先輩は拳を掲げる。
「なんだよ!殴んのかよ!」
そう挑発すると、バカにしたように笑い思いっきり腹をけってきた。
「∴:. ガッ」
「目にみえねぇとこなら、問題ねぇんだよ!
悔しいなら、先生にでも言いつけるんだな。まぁ、大会がどうなるかわかったもんじゃねぇけどな!」
そう言いながら、ぞろぞろとその場を去っていった。
きっと、もう自分がレギュラーになることが出来ないからって部を引き合いに出すとは、、、
呼び止めて一発やり返してやろうと考えたが言われた通りこんなことで退部だとか、大会への出場停止だとかなったら、
馬鹿みたいだ。
「痛ってぇ」
一発といえども先輩の蹴りをまともにくらってしまった。
動けないわけではないが、なんとなしにそのままずるずると地べたに座り込む。
「あ゛ー、動きたくねぇ」
でも、そろそろお昼休みが終わってしまう。
「サボっちまおうかな、、、」
そう考えながら俯いていると、1人の女子生徒が通りかかった。
こっちを見てぎょっとするとすぐさま駆けてきた。
「どうしたの?!大丈夫?」
ゆるくウェーブしたその髪を結わえることもなく、どこかふわふわとこちらへ来ると、しゃがんで目線を合わせる。
明るめのブラウンのくりくりとした瞳がこちらを除きこんできた。
目線が交わった瞬間、さっきまで頭にのぼっていた血が顔に集まるのを感じた。
「どこか具合でも悪いの?先生呼んでこようか?」
焦ったように話しかけてくるその人に胸がドキドキする。
なんだか、輝いて見える。
可愛い、、、、まるで天使みたいだ。
「、、、ちょっと待っててね。読んでくるから。」
返事をしなかったからか、相当状態が良くないと思ったのか急いで人を呼んでこようとするその人の手を咄嗟に掴んだ。
細くて、男みたいにゴツゴツしてなくて折れてしまいそうで、すぐに離した。
「ちょっと休んでただけなんでだいじょぶっす」
少し早口気味になりながらもなんとかそれだけ絞り出し、俺はたまらなくなってその場を逃げるようにさった。
「待って!!」そんなに声が聞こえた気がしたが胸の音が大きすぎて上手く聞き取れなかった。
今思えば、大きすぎる胸の音は恋の始まりの音だったのだろう。
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