此処は日本と呼ばれる国であり
建物が沢山並ぶ都会の街中

その中の一つの「店」に
この世界の者ではないものたちが集結していた。

あるものは一人の少女を抱え込み必死に助けを呼びかけ

あるものは武装し長剣をもつもの
あるものは温かい真冬のような恰好をした魔術師のような恰好をした者

皆それぞれ服装が違っていた

小狼「お願いです！サクラを助けてください！」

少女を抱えていた少年がそう叫ぶそれを見つめる女性が何かを感じ取り違う場所へ視線を送る

侑子「‥‥来たわね」

小狼「えっ！？」

キュイイイイ

彼等と同じようにして次元移動して現れたのは
また変わった服装し怪我をしている少女の姿だった

弱り切っているが容姿端麗の姿に
誰もが息をのんだ。

「‥…」

少女は息をしているのか不安になるほど静かで気を失っているようだった。

武装している黒鋼は思わずその少女に近づいて息をしているかを確かめた

かすかに聞こえるその寝息に安堵のため息を吐く。

そして彼らの願いを聞いている間に四月一日が蔵から白いうさぎの形をした生き物をつれてきた

侑子「この子はモコナ＝モドキ

貴方たちを異世界へ連れていってくれるわ

けれど行き先まではコントロールできない
だからあなたたちの願いが叶うかどうかは「運次第」‥‥

けれど世の中には偶然はない
あるのは必然だけ」

黒鋼「その女はどうするんだよ」

侑子「彼女もまた一緒に旅するのよ…」

ファイ「願いも聴いていないのに…ですか？」

黒鋼「それにその女だけ対価とやらを払わないなんてことはねぇーよな！」

侑子「彼女からはもう対価はもらっているわ‥‥

それに願いも既に聞いたわ」

小狼「どうやって‥‥」

侑子「彼女の対価は後に知ることになるでしょう‥‥


さぁ行きなさい！」

モコナ「モコナ＝モドキもドッキドキ！はぁーふぅー」

モコナは小さな体に
自身より大きな翼をはやした

そしてもう一度大きな口を開けると彼等五人の真下に大きな魔法陣が現れて

モコナの口に吸いこまれるような形に引っ張られる

黒鋼「なんだ！？」
ファイ「！？」
小狼「くっ！」

黒鋼は咄嗟に倒れていた少女が飛ばされないように抱きしめた

そしてモコナの口の中へぱくっと食べられてそのまま別の次元へ旅に出た


侑子「どうか彼らの旅路に幸多からんことを」