カカシ「違うでしょう…ここはしばらくは君の家でもあるんだから」

と促すと…首をかしげる少女…

「…た、…ただいま？」

カカシ「クスッ)…おかえり…」

「…か、カカシさんも！」

勇気を出して何かを言い出す彼女に首をかしげると
照れくさそうに…

「ぉ、…おかえりなさい」

カカシ「…っ！……ただいま」

ぱぁあと笑顔になる少女に思わず微笑む俺
初めはぎくしゃくしながらも何とかなりそうだと俺は思う

時刻を見れば一時になるところだ

カカシ「疲れただろう…もう寝るといいよ…

生憎布団は一枚しかないから君が寝て」

と布団を引きながら促すと首をぶんぶんと横に振る少女

「‥‥だ、駄目ですよ！この布団はカカシさんのものですから…

僕は端っこで寝てます…」

部屋の隅っこを指さす少女に目を見開いた。
大分遠慮しているらしい…。

カカシ「それは、駄目子供は布団で寝ないと風邪をひいちゃうでしょう…」

「でも、カカシさんも任務で疲れているでしょうし‥‥」

寝る、寝ないの攻防戦が続いた…
すると少女はとんでもない提案をしてきた

「っ！そうだ、一緒に寝ればいいんですよ！」

と笑顔で言ってきた。

カカシ「‥‥ぇ？」

ニコニコしながら笑顔でみる彼女はトントンと叩いて俺が寝られるように横にずれる。

まぁ、添い寝していると思えばいいか…

俺は諦めて彼女の隣に横になる。

「……ふふ」

カカシ「…ん？」

「…こうしてみると…お父さん…みたいだ」

カカシ「…君のお父さん…？」

「………ぁ、…ぅん僕…お父さんの顔も…お母さんの顔も

覚えてないんだ…」

苦笑いしながら微笑んだ彼女に、地雷を踏んだかもしれないと思った俺は…顔を歪める。

俺も両親はいないが…彼女ほどの歳ではなかったと思う。

「僕が…3歳の時に事故で死んじゃったんだ…。

だからお父さんとかお母さんの顔とか…思い出せない…」

カカシ「…っ、」

「…ぁ、でも大丈夫！覚えてないから…寂しいとかそいうんじゃないの…なんだか、…懐かしい感じがしたから…ごめんなさい」

カカシ「いや、俺は…別に大丈夫だけど…」
「…？」

首をかしげる少女に頭を撫でる

カカシ「辛い時、寂しい時は無理して笑わなくていいよ」

ポンポンと頭を撫でると少女はうるうると涙を流し始める
俺の服を掴んで顔を埋める。

身体が震えていて癪り声が聞こえてくる…
泣いているのか…
俺は落ち着くまで背中を撫で続けた。