サッチ「…ユキナちゃんを返してもらおうか？ナルロ…」

珍しく真剣な表情のサッチは二刀流の刀を構える
彼の目は海賊の目であった。

ナルロ「それはできません。元帥が彼女も連れてこいというのでね」
「！？」

何故海軍本部元帥が僕に会いたがっているのか…それは謎だが…
その言葉を聞くと本当に彼は海軍の味方になっていると自覚される。

エース「ずっと俺たちを騙してたのか？」
ナルロ「‥‥」

「騙したりしてないよね！？ナルロ…あの時の貴方の笑顔は本当の貴方の笑顔だった…ナルロ「黙れ！」・・・・！？」

ナルロ(頼む…黙ってくれ…それ以上俺を惑わさないでくれ…)

ナルロ「あれは全て…俺の演技だ…スペード海賊団に入ればいずれしろひげ海賊団にもつながると思ってな…

案の定…俺は運よく白髭海賊団に紛れ込むことができた…
そこらへんについては感謝しますよ？エース「船長」？」


厭味ったらしく船長を付けてエースを見る。
エースは悔しいのか歯を食いしばり手を強く握る。
PrrrrPrrrr

ナルロ「長話も出来ません…そこを退いてください…。
ユキナの命が欲しければ」

(僕は・・みんなに迷惑をかけたくない・・どうすれば・・・逃げ出せるの？！)

イゾウも銃を構えるが1、２歩後ろへ下がる意外な行動に驚きの声を上げたのはエースだった。
エース「イゾウ！お前・・・・」

イゾウ「しょうがねぇだろう‥‥奴はユキナを人質に取ってんだ
あの目…ただの脅しじゃねぇってことだ」

サッチ「‥‥っ」
エース「‥‥ッチ」

エースもサッチも後ろへ下がる
その状況にナルロはクスリと口角を上げて開けてくれた道を通る。

通り過ぎるエースの横にユキナは海楼石で出来た透明な壁に両手をついて張り付くように覗き見る。

エースは口パクで「必ず助ける」とmessageを送った。
それに気づいたユキナはホット安堵の笑顔を見せコクンと頷いた。

甲板に出ると既に他の隊長たちも待ち構えていた。

白ひげ「…ナルロ…」

ピリピリとした空気が張り詰めている
白髭の目は明らかに怒りの目をしていた。
海楼石で出来たケース越しでも伝わってくる覇気に‥肌がぴりっとしてくるのを感じ取る。

それほどの覇気を受けながらナルロは平然とした表情で白髭たちを見つめていた。

ナルロ「…親父…いや、白髭殿…覇気を収めてくださいませんか？

彼女も…辛いはずでしょうし」

ナルロの目線はケースを持つ手の方へ向けられた…。