千鶴「男装が嫌だなんて言ってられない…これは新選組に置いてもらううえで…どうしても必要なことなんだし」

千鶴姉はぼそりと呟きながら小太刀を大事そうに握りしめていた

「その小太刀…綺麗な刀だね」

千鶴「うん…これはね、雪村家に代々伝わる大事な刀なの…
お父様から渡されたときから私はずっと持っているの」

「そうなんだ…」

千鶴side

私も…体質なのかどうかはわからないけれど
小さな傷なら翌日には治ってしまう
小さなころはわからなかったけれど
さすがに物心つくようになってからはそれが普通ではないと気が付いた…。

父さまは天からの授かりものだから人には言わないようにと言われてきた…。
勿論ちょっとした怪我なら治ってしまう体質なんて気味悪がられていれるわけがない…。

けど…雪奈ちゃんが言っていたあの言葉…

「平気だよ…これくらい、かすり傷だしすぐに治るよ…。
それに僕は生まれた時から何故だか知らないけど治りだけは早いんだ…」

それと今思い出したかのように青ざめて今のは忘れてというあの焦り…もしかしたら…私と同じ境遇の体質なのかもしれない

なんて淡い期待を抱いてしまった…。

それは私だけの秘密にしておこう…いつかいえる日がきたらいいのにな…雪奈ちゃんはどんな反応するのかな？

怯えて嫌ったりしないだろうか…そんな不安が頭に過ってしまう。

「ねぇ…もしかして他にも悩みがあるんじゃないの？」

千鶴「え？」
「ソンナ顔をしているよ？例えば…隊士たちの目が何となく冷たい視線を感じるとか…そんなことでしょう？」

千鶴「え…、えぇ！！ドウシテわかるの！？」

「ヤッパリ…

大方‥屯所で個室を与えられているのが幹部の中でも限られているらしいから

得体のしれない僕らが現れて幹部並みの扱いを受けているなんて…とかそんなことを思ってたんじゃないの？」

千鶴「…う、…うん…」

「大丈夫だよ僕の怪我が治れば

そんな視線はなくさせるし
黙らせるから…問題ないよ」

千鶴「でも…また怪我をしちゃうよ」

「心配性だね千鶴姉は…僕は大丈夫…」

千鶴「…ありがとう…せっかく父さまの手掛かりを見つけらると思ったのに…いつまでこんなところにいるんだろう…」

「土方さんは大阪へ主張みたいだし…其れじゃあ…誰かにお願いしてみようか」

千鶴「え？！エ！！」

僕は千鶴姉の腕を引っ張って外に誰かを探しに中庭の方へと言ってみる…。