連れてこられた場所には数人の幹部と思われる新選組の人間が座って待ち構えていた

？「おはよう…昨日はよく眠れた？」

「っ！！‥‥あんたは」
昨夜僕たちの前に現れた男の一人だった
確か名前は‥‥

？「みたいだね…顔に畳の跡がついてるよ？」
「生憎僕は寝ちゃいない」

？「まぁそうだろうね君は斎藤君によって気絶させられちゃったんだもんね…」

と悪戯っぽくどこかケンカ腰にいう彼を睨みつけた。
そんなことはどうでもいい、千鶴姉はどこに…？

と思いながら視線で探していると彼女を見つけた
僕と同様に手首を縛られちゃいるがけがはしていないようでホッとため息を吐いた。千鶴姉も僕に気づいて「あ」と声を上げる

？「で…そいつらが目撃者？細っこいしまだガキじゃん…」

と細身の青年がこちらをみて話しかける。
ムカっ…自分だってガキじゃねぇか…
と心の中で悪態を付く。

？２「お前がガキとかいうなよ「平助」…」

細身の青年の真ん中にいたがっつりとしたガタイのいい男がその青年に声をかける。そしてそのガタイのいい男の隣にいた男も苦笑いしながら答える

？３「だな…世間から見ればお前も似たようなもんじぇねえか‥」

平助「うるさいなぁーおじさん二人は黙ってなよ」
とぐりぐりと撫でられた手を鬱陶しそうに払いのける
？2「ふざけんなよ！このおぼっちゃまが俺らにそんな口をきいていいと思ってんのか？」

？3「だな…新八は兎も角この俺はな」

？２のガタイのいい男は新八という名らしい
新八と言えば…どこかで聞いたことがあるな…

新八「てめっ！裏切るのか！左之」

？3のもう一人のガタイのいい男は左之というらしい。
冗談のような口調で言いあいながらも視線はずっと僕たちの注いでいた。
その視線の奥にとても強い敵意を感じる。
ここでの僕たちの存在は決して許されはしないのだ。
それは少なからず感じて居るのだろう…。
隣に座らせられている千鶴姉も不安の色を隠せないようで俯いている。


？「口さがない方たちばかりで申し訳ありませんねぇ‥」
と穏やかな口調で話しかけたのは上座の隣に座るメガネをかけた優しそうな雰囲気を醸し出す男だった。

千鶴「…あ」
土方「何言ってんだ…一番怖いのはあんただろう？山南さん」

先ほど声をかけてきたのは山南というらしい。
確かに言葉自体は優しいが彼もマラ僕たちを油断なく見つめている目は変わっていない。

他の人たちもうんうんと大きくうなずいている。
山南「おや、心外ですね…皆さんは兎も角鬼副長まで、何をおっしゃるんです？」

やっぱり怖い…この人…微笑んだまま土方さんも土方さんで何も言わずに薄く笑ったままだし。

僕は思わず頭を抱えたくなった。

近藤「トシと山南さんは相変わらず仲がいいな…」
と微妙にピリピリしている空気の中呑気な声を上げたのは上座に座るもう一人の穏やかそうな人は僕たちの方を見た。


近藤「あぁ、自己紹介が遅れたな…。俺が新選組局長「近藤 勇」だ…それからそこのトシが副長で…横にいるのが山南君が総長を務めて…」

土方「いや…近藤さん何で色々教えてやるだよ…あんたは」
と呆れた表情をする

近藤「む？…ま、まずいのか？」
永倉「情報を与えてやる必要はないんだったら‥黙っている方が得策なんじゃないですかね？」

平助「わざわざ教えてやる義理はないんじゃね？」
左之「ま、知られて困ることもねぇよ…ま、そういうくそ真面目な処も近藤さんらしいっちゃあらしいがな…」

と苦笑いしながらフォローする。