その後解放されたガキが出てきた。
話を聞くために近づいたのはいいが…また眩しい光に思わず目を庇うように腕をあげる…

またこいつがいなくなる
そう思うと眩しいのを我慢して俺は餓鬼の方へ走り出し手を伸ばした

パァアアア



≪‥‥ありがとう…無事でよかった≫


その声が頭の中に響いた…

俺の伸ばした腕はガキを捕まえることが出来ずに空を掴んだ
眩しい光が消えるとガキはやはり姿を消していた。

佐藤「…あれ？あの子は！？」

松田「…ッチ、また消えやがった」
佐藤「えぇ？！消えたって…」

松田「萩原ん時もそうだったんだよ…
だから俺たちはあいつを探してんだ…」

佐藤「だから萩原くんも必死だったのね…」

松田「あぁ、…まさかこの事件でガキに救われるとは思ってなかったけどな……米花病院のほうは？」

佐藤「今萩原君が向かってるわそろそろ解体終わるころだと思うんだけど…」

それと同時に電話が鳴り響いた

松田「萩原か？爆弾は…？」
萩原≪おう無事にできたぞ！それで？例のユキナちゃんいたんだろう？今もいるのか？≫

松田「いや、お前ん時と同じ消えちまったよ…」

萩原≪そうか～…相変わらず神出鬼没なんだね≫
松田「呑気なことを言ってる場合か！事件にかたが付いたら絶対に探しに行くぜ」

萩原≪あぁ！≫

目を覚ますと僕はまた元の場所へと戻っていた。
あの出来事が夢だったように…あたりはいつも通りの風景だった

ぼーっとしていた。
長かったような一日のリアルな出来事は本当に夢だったのか？

何故…過去と未来を行き来できるのか…？
そして何故僕は死ぬはずだった‘彼ら’を救ったのか…。
いや、救うことのできる命が救えたのは嬉しい。
生まれてきたことを忌み嫌われ売られてきた僕にでもやれることはあったのだと確信がもてるから。

生きる意味を…与えられたようにも思えた。

薫さんたち…元気かな…？
みんなが元気にしてくれてたらそれでいい…

もし、元の世界に戻ることができなくても

僕はここで生きていくよ……
例え…この世界で命が尽きようとも。

コンコン‥‥
ガチャリと扉が開いた。来たのは昴兄だった。

昴「おはようございます、中々起きてこられないのでおこしに来たんですが…どうかされましたか？」

「…昴兄…ううん、なんか不思議な夢を…みたきがして」

昴「……ホォー不思議な夢を…ですか…」

具体的などんな夢を‥？と尋ねられた時
ぐぅうう～とお腹が鳴った…僕は恥ずかしくなり顔を真っ赤にした
すると頭上からクスクスと笑い声が聞こえた。

昴「…クスクス)そうですね、朝食にしましょうか…」

「は、…///はい」

恥ずかしい…。

昴「……今日はどこかへ行かれるんですか？」

「あ、ぅんお年玉をもらったから光彦君が銀行に行くんだって
みんなで銀行に行こうってことになったの

博士と一緒に…」

昴「なるほど、今日は雪が降っているので暖かい恰好をしていってくださいね、風邪をひかないように気を付けて」

「はーい」

冬の季節を迎えた東都では珍しく雪が降っていてとても寒いくらいだ。哀ちゃんと一緒に冬の買い物をしていたために暖かいものはあるのでしっかりと温かい格好してきた。

光彦君はもらったお年玉を貯金しているようだ。
元太君はお母さんに預けているといっていた。
買ってもらったことはないという。

博士「まぁ元太君が大病を患った時のために貯められておるかもしれんし…」
歩美「でもそれって貯金と一緒だね」