悪いな降谷‥…あいつらに俺がNOC(公安)だということがバレたようだ。

逃げ場はあの世しかないようだ…

俺は死に場所を求めて人気のないマンションの屋上にやってきた…

奴らがやってくるその前に…

携帯を胸ポケットに入れて一緒に打ち抜けるように準備する…

カンカンとまた誰かが上がってくる…

もしかしたら…奴らが…もう追ってきたのか
相変わらず情報が早いな…

自傷気味に笑いながら壁際に身を任せながら寄りかかる。

「…まさか…あんたがここに来るなんてな…

「ライ」…あんたが俺を始末するように言われたのか？」

まさか…俺の後始末をする奴がライだったとわ…

まぁ降谷じゃなくて良かったが…。
ライは何も言わずにただ…俺を見つめ一歩‥
また一歩と近づいてくる。

そして胸ポケットに手を入れた
恐らく拳銃を取り出そうとしているのだろう…

なら…お前に撃たれるより前に…

俺は勢いよく踏み込んだ

「うぉおおー！」
ライは体術で逃げ切ろうと考えたのか
直ぐに応戦した…
だが‥俺の目的は！！

ライから拳銃を奪い取りライに銃口を向けた
冷静に手を上げながらこちらに話しかける。

ライ「…俺に投げ飛ばされるふりをして俺の拳銃を抜き取るとは…命乞いをするわけではないが…

俺を撃つ前に話を聞いてみる気はないか？」


そう…拳銃を奪ったのは…お前を撃って生きながらえることじゃない…

「け、拳銃はお前を撃つために抜いたんじゃない！

こうするためだ！！」

俺は胸ポケットに携帯が入っている場所に銃口を押し当てた…

そして引き金を引こうとした瞬間
「…無理だ」

いつの間にか目の前まで迫っていたライにより
シリンダーを掴まれてしまって引き金が引けなくなってしまった

ライ「無理だ‥リボルバーのシリンダーをつかまれたら…人間の力でトリガーを引くのは不可能だよ


自 殺は諦めろ‥「スコッチ」お前はここで死ぬべき男ではない‥‥俺は「FBI」から潜入している

「赤井 秀一」…お前と同じ奴らにかみつこうとしている犬だ…さぁ、わかったら拳銃を離して俺の話を聞け…お前を一人逃がすのくらい造作もないのだから」

そういって長髪の男は短髪の男、スコッチと呼ばれた男から拳銃を奪い取ろうとする‥

だが‥カンカンと音が鳴り響いた
誰かが駆け上がってくる音だ俺達は気づいた…

今度こそ組織が来るんだとすれば俺は…
死を改めて決意しライが音に気を取られている間にシリンダーを掴む手が緩んだ瞬間を見計らって引き金を引こうとすれば
もっていたはずの拳銃が無くなり代わりに10代未満の女の子？が俺の腕にしがみついてきた…。

バっ

スコッチ「っな！？」

「…だめ、貴方は死んでいい人間じゃない！！」

スコッチ「放してくれ！！」

少女の言葉から俺のことを知っている様子だが俺はこの子を見たことが無い…。
俺は必死に少女を振り払おうとするがしがみついている少女は絶対に放さないというように食らいつく。

そうこうしているうちにばぁあんと大きな扉が乱暴に開かれてやってきたのは…。

安室「はぁ…はぁ…！‥‥これは…スコッチ‥それにライどいう状況です？」

スコッチ「…！バーボン」
俺と同じように公安に潜入している零だった…。

ライ「……」
バーボン「ライ！貴様…スコッチに何を！ついに本性を現したか？！」

警戒心剥き出しでバーボンがライを睨む・…
その間に空気となってしまった少女が俺の腕から離れようとしたので思わず俺は消えてしまいそうな少女の腕を掴んだ。

パシッ
スコッチ「どこにいくのかな？キミには聞きたいことがいっぱいあるんだ…」

少女の腕は細かった…強く掴んだら折れてしまいそうなほどに
聴きたいことはいっぱいあるが、まずは暴走しそうな零を止めないとな…。

スコッチ「…バーボン違うんだ…彼もNOCだった」
バーボン「は？！」
ライ「…あぁ、FBIのな」

バーボン「…っFBI！？」

ライ「…それで君は一体何者なのかな？」

「‥‥」


ライはあくまでも冷静に彼女の正体の追及にかかる。
少女は何故か正座をさせられていた。

命を救ってくれているのに‥
何故だ‥という顔をしている。

俺も助けてあげたいが‥俺も気になるんだよな‥
俺達が気づかなかったほど気配を完全に消していたし
消えた拳銃と入れ替わるようにして現れた少女何者か気になるが
どちらにせよ俺の命の恩人だ…。


降谷「これからどうするんだ？スコッチ」
ライ「俺が死体を用意して死んだように偽装させよう…奴らには始末したと報告しておく。」

スコッチ「すまない。」

降谷「FBIの手なんか借りたくないが…今の現状では仕方ないか…だが、スコッチ変装はしておいたほうがいいな…」

ライ「ああ、お前には証人保護プログラムを受けてもらう…別人になって生きるということだ…」

スコッチ「‥‥俺はどっちにしろ、この世界では死んだ人間だ。俺は陰で降谷をサポートするよ」

降谷「アァ‥・ところで、この子がいるのに
そんな話をして大丈夫なのか？もしも奴らの仲間だったら…」

スコッチ「奴らの仲間の場合だったら、お前たちが来たとしても裏切りと判断し始末にかかるだろうな。

「裏切りは罰せよ」‥ジンがいつも言っているしな」

降谷「なるほどな…でもまだ白と決まったわけではない。
この子を保護して身元を調べることにするよ」

「…え？‥でも僕家に帰らないと…」

確かにこの時間に子供がうろついているのは不自然だ…。
しかもこんな人気のない場所に…。

降谷「君の家はどこなんだい？」

「ここが…どこかわからない…

でも近くまで送ってもらえれば帰れるから！！」

降谷「あんなことがあった後だし
俺が送るよ…彼を助けてくれた恩人だしね」

ニコニコしているが顔が笑っていないぞ…零…。
俺達は
マンションの玄関に到達し外へ出ると車が二台あるのが見えた。

1つは白い白いスポーツカーは降谷のもう一つは黒いシボレーは恐らくライのだろう。

降谷「さぁ、どうぞ…」

零が助手席のドアを開けてエスコートする。少女は諦めたのか肩を落としながら車に乗り込もうとするが…

パァアアアアー

「「「っ！？！」」」

突然現れた…謎の白い光が現れて俺たちはあまりの眩しさに目を庇う…。光が収まり目を開けると…目の前にいたはずの少女が忽然と姿を消していた‥‥。