とある野原では、馬が二匹おりその上には武装された人狼がいた
一人は鼻歌を歌っている陽気な男。
それを隣で聞いている紫の髪の温厚そうな顔をした男

景持「‥‥あの、抜けている部分が…気になるのですが…」
それを無視して上機嫌に歌っているのは影家だった。

後から現れたもう一人の人狼の気配に気づき顔をあげると
二人は声をそろえる
景持・景家「「…あ！謙信様！ユキナ」」
景持「謙信様…景勝さまと兼続はどこへ？」

謙信「‥‥あぁ、二人は山の方へ果物を取りに行っている」
景家「本当に二人は仲がよろしいですな！」
謙信「遊び盛りとはいえ…彼等も大人になったと私はおもう

兼続は好き嫌いが減った…。」
景家「おお!それは成長しましたな！以前は絶対に食わないと言って俺の皿に寄越してましたのに」
景持「景勝さまも戦になると普段とは見違えるほど凛々しい顔をされます」

景家「最近はよりいっそ謙信様に似てきたと思いますよ…」
謙信「ふん、わが軍の未来が楽しみだな…
そのためにもまず…必ず武田軍を打ち破らねば…」
景持「おっしゃる通りです…我々にとって因縁の相手ですから
‥‥おや？どうしました？ユキナそんなむくれた顔をして…
可愛い顔が台無しですよ？」

謙信の馬に乗っているユキナはずっと会話に入らなかったのが不思議に思い景持が声をかける。
彼女は案の定不機嫌のようだ‥‥。

「‥‥むぅ、ユキナも一緒にいきたかったのに…謙信様が止めるから」

謙信「当たり前だ…お前はまだ疵が治りきっていないのだ
無茶な運動をさせるわけにもいかぬだろう？」

「もう殆ど治りきってますよ！？だって僕は…怪我の直りとか人一倍早いんだから！！」

ほらほらとイイながら以前怪我をしていたところを見せる。
景持「そうですよ、ユキナ謙信様の言うとうりです…。
いくら怪我の直りが速いと言えど…無茶をしてはまた傷口が開きます…無理をしてはいけません」

と子供をなだめるように謙信の馬の隣へと近寄り
ユキナの頭を優しく撫でてやる…。

景家「しかし、早いもんですなユキナがこの世界にきてからもう一週間が経っているなんてなニカッ)」

謙信「あぁ、そうだったな。時が流れるというのは早いものだ
もうすっかり打ち解けているようだしな」

景持「初めのころは暴れて大変でしたからね苦笑)」
景持は出会った日のことを頭の中でよみがえらせると苦笑いしながら答える。