目を覚ますと…見慣れない森の中に寝転がっていた。
此処は…一体どこだろうか？

「…んぅ？‥‥おねぇ…ちゃん？」

辺りを見渡すと結姉がいない…
いるのは僕一人だけ‥‥

横になっていた身体を起こそうとした
だけど突然の痛みに僕は思わず声を上げた

「いたっ！」

怪我をした記憶が無いのだが…身体のいたるところに傷が出来ていた
どういった経緯で怪我をしたのか‥‥疑問に思うところだが
兎に角ここがどこなのか聞くために人を探さないといけない
痛む身体を無理やり起こしてよろよろと足を動かす

「‥…っゆづ…ねぇ涙目)」

不安な気持ちが一気にあふれ出し涙がじわりと眼尻に現れる
乱暴に涙をごしごしと拭いて泣かないと意気込み
また歩き出す。

歩いて数分が経った頃一向に森から抜け出せそうにもない
それどころかもっと深いところへ来てしまったようにも思える

「‥‥ふぇ」

さすがに不安が強くなり涙が抑えきれなくなる
このまま一人で森の中をさまようのかな？とか
このまま結月姉に会えないのかな？とか

余計なことを色々考えてしまう

歩き続けているともう青い空が赤色に染まっていた。
流石に子供の体力では限界があるためにその場にしゃがみ込んだ

「‥‥っく‥‥ひっく」

寂しさのあまりに涙をこぼす
暫く泣いているとグォオオオと不気味な声が聞こえた

驚いて顔を上げると目の前に黒い身体をした白い髪をした化け物が現れた

「ひっ！」

よくみるといつの間にか化け物が僕を囲んでいた。

化け物「グォオオオ―！！！」

「‥…やぁあああー！！」

こっちにとびかかって大きな手を振り上げられた瞬間に
僕は精一杯の悲鳴を上げた

痛みを我慢するために身体に力を入れてぎゅっと目を閉じると
痛みがやってくることはなく代わりに化け物悲鳴が聞こえた。
恐る恐る目を開けると目の前の化け物が消えていて
銀色の髪をした男の人が刀を構えて立っていた

？「大丈夫か…娘」
「‥‥！！」
声をかけられたとわかりゆっくりと頷いた。

化け物「グォオオオー」

残りの化け物が助けてくれた男の人へむかって襲い掛かってくる
「危ない」そう叫ぼうとしたけど男の人は冷静で静かに刀を構えて化け物に斬りつけた
すぐに化け物が消えた

？「ふん！」
数体いた化け物があっという間にいなくなった
よかったと安心したせいか身体の力が一気に抜けた。
すると別の方から「謙信様ー！！」という声が聞こえた。
ぐらっと視界が揺らぎそのまま身体はゆっくりと倒れる

ドサッ